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大きな転機:Haliade-Xが記録を更新、そして重要なマイルストーンを達成

サム・ウォーリー

洋上風力タービンHaliade-Xは約1年前に大きな記録を打ち立てました。オランダ・ロッテルダム港に設置されたHaliade-Xプロトタイプが1日当たり288MWhの電力を発電する世界初の風力タービンになったのです。これだけの発電量があればロッテルダム市内の3万世帯の消費電力を十分にまかなうことができますが、Haliade-Xはこの記録に甘んじることなく、最近また記録を塗り替えました。現在稼働している最も強力な洋上風力タービンでもあるこのHaliade-Xは今年10月、1日当たり312MWhの電力を発電することに成功したのです。つまり、最初の新記録を樹立した直後にタイム誌「2019年の最も重要な発明品100」の一つに選ばれたHaliade-Xにとって、この1年はメディアに取り上げられることの多い年となりました。

しかし、Haliade-Xの進化はこれで終わりではありません。このタービンを製造したGEリニューアブルエナジーのエンジニアたちは、第三者認証機関であるDNV GLが発行する正式な型式証明を得るために、ロッテルダムに設置したプロトタイプに関するデータの収集を1年間続けてきました。この型式証明は、Haliade-Xが安全かつ確実に設計仕様に従って動作することを証明するものです。そして、11月前半にDNV GLがHaliade-X 12MWに正式な型式証明を付与するというもう一つの大きな展開に結び付きました。

GEリニューアブルエナジーのHaliade-X開発チーム最高責任者を務めるビンセント・シェリングスは次のように述べています。「正式な型式証明を付与されたことで、お客様がHaliade-Xを購入する際に融資を受けられるようになりました。これは私たちにとって重要なマイルストーンです。私たちの継続的な目標は、洋上風力発電がこれまで以上に低廉かつ信頼性の高い再生可能エネルギー源になるため、また洋上風力発電の世界的な成長を促進するために必要な技術を提供することです。」また、国際エネルギー機関(IEA)は洋上風力発電への累積投資額が2040年までに1兆米ドルに達すると予測しており、風力発電は有望な事業分野となっています。

現在稼働中の洋上風力タービンの中で最も強力なタービンであるHaliade-Xは10月に24時間で312MWh発電量を達成して世界記録を更新しました。
上の画像の著作権者: GEリニューアブルエナジー

今回の型式証明は、タービンの構成部品であるブレードが単独で認証を受けた直後に付与されたものです。このブレードは全長が107mあり、サッカー場の縦の長さ以上という巨大な部品です。Haliade-X 12MWの認証プロセスには、ブレードを米国と英国の施設で別々に試験するほか、ロッテルダムのプロトタイプに対しても複数の試験を行う必要がありました。

GEはHaliade-Xの発電量が12MWになるよう設計しましたが、ロッテルダムで実施した試験の結果、当初の目標を超える13MW程度の電力を発電できることが明らかになりました。今回新たに付与された型式証明は12MWのものを対象としており、現在はロッテルダムにあるプロトタイプを対象に発電出力13MWとした試験が行われています。13MWの試験についても、2021年前半に型式証明が付与される見込みです。

今回の新記録達成の次にとりかかる仕事は何でしょうか?それは実際の設置です。GEリニューアブルエナジーは今年9月、Haliade-X 13MWを対象とした初の契約を締結し、英国ヨークシャー州沿岸から約130km離れた北海の沖合にある洋上風力発電プロジェクトの第1・第2フェーズにあたるドッガー・バンクAとドッガー・バンクBに、Haliade-X 13MWを190基供給することに合意しました。ドッガー・バンク洋上風力発電ファームは世界最大の洋上プロジェクトになる予定で、2026年に予定されている竣工時には英国の450万世帯(全世帯数の約2割)分の電力消費を十分にまかなえる3.6GWの発電出力を持つ施設になる見込みです。

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