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「エジソンの日」に触れる、トーマス・エジソンのコトバと思想

10月21日は米国では「エジソンの日」。これは、1879年のこの日にトーマス・エジソンが自身の研究所で白熱電球の初の長時間点灯を成功させたことに因んだもので、日本でも日本電気協会や日本電球工業会によって「あかりの日」とされています。そんなわけで、今日はGEの創設者でもあるトーマス・エジソンが遺したコトバから、幾つかをピックアップしてご紹介します。

◇ ◇ ◇

天才とはすなわち『ひたむきに働くこと』、『あきらめないこと』、『常識と良識があること』なのだ
“I tell you genius is hard work, stick-to-it-iveness, and common sense.”

生涯に1,000以上もの特許を取得し、電球、発電機、蓄音機から天然ゴムまで多岐に及ぶ発明ヒットを飛ばしたエジソン。「天才」「メンロパークの魔術師」と呼ばれ、まるで特殊な才能があるかのように評された発明王は、天才と呼ばれることが大嫌いでした。そう呼ばれるたび「私が天才だって? バカバカしい。ひたむきな努力と労働をしてこそ、素晴らしいことを成せるんだ」と言いました。そして「常識と良識をもってこそ、偉業と呼ばれる成果をうめるのだ」と話したとか。エジソンは常に、人々の暮らしをより良いものにしたいという情熱をもって発明に取り組んでいました。“人の役に立つものづくり”にこそ価値があり成功に繋がると理解していたエジソンは、人々が望んでいることは何か、困っていることは何か、何をすれば喜ばれるか・・・彼は、研究所の外に目を向け、情報収集に努め、毎日何紙もの新聞や業界誌に目を通していました。

世界がいま本当に必要としているものを創るのだ
“I find out what the world needs, then I proceed to invent it.”

エジソンにも『大発明なのに、まったく売れない』という、(上の思想の根底にもなった)苦い経験が。その発明品とは、電気信号を利用した「電気投票記録機」――議会投票を座席ボタンで行って瞬時に集計、採決可能にする装置です。21歳のエジソンはこれをひっ提げ自信満々の面持ちで国会に売り込みへ。しかし、「青年。これはたしかにスゴイが、野党から牛歩戦術という貴重なチャンスを奪ってしまう。残念だが、政治家には不必要なのだよ」と一蹴されてしまったのだとか。

『人の役に立たないものを創っても無駄だ』と痛感したエジソンは、以降、人々が必要としているものは何なのか、やがて必要になるであろうものは何なのか、入念な市場調査を行うことを習慣としました。早くに大失敗を経験したことは、彼の幸運でもありました。

ヘンリー・フォードとエジソン(写真:Getty Images)


新たな知識によってわれわれは生き、そして成長する
“We live and grow by new knowledge.”

デトロイト図書館の蔵書を棚に並んだ順に片っ端から読破していたうえに、わずか15歳で新聞を創刊したエジソン。知識は人間にとって必要不可欠な原動力だと考え、つねに情報や知識を渇望していました。

ある日の日記に「時間と金銭を節約するために本を読むんだ。すでに誰かが成し遂げたことに取り組むという無駄な努力をしないためにも」と記しているとおり、彼にとっては知識で得られることの、その先にあるものこそが心血を注ぐに値する世界でした。知識によって出発点を高いレベルに押し上げ、新たなアイデアでその先に進むことで、誰も成しえなかったブレークスルーを実現できる。何も知らない人は、何も発想できない。エジソンの言葉は、そう教えてくれます。

製品の使い方は徹底的にシンプルであるべきだ
“It must be made practically fool-proof.
Its operation must be made extremely simple.

「あなたの発明品のなかで最もすばらしいものは何かと聞かれたら?蓄音機が最も好きだと答えよう。私は、音楽が大好きだからね。そして蓄音機は、国を越えて何百万もの家庭に”よろこび”を届けてくれたのだから」。1921年のある日のエジソンの日記に「蓄音機が広く受け入れられた理由のひとつは、子供でも扱えるくらい使い方がシンプルだったからだ」と記しています。シンプルな操作性は、彼が一般向けの製品の善し悪しを測る重要な要素でした。

直感的な操作性。最近では例えばスマートフォンやソフトウェア、シャンプーのボトルに至るまで、プロ用・コンシューマー用にかかわらず、幅広い産業領域で目にすることができますね。プロダクト・デザインの重要性は広く知られるようになりましたが、早くからエジソンはそれが成功の鍵であることを見抜いていたようです。製品が優れたものであればあるほど、世の中の誰もが、その恩恵を享受できなくてはならない。そんな、エジソンのものづくりの哲学も垣間見えます。


不満こそ、発展にまず欠かせないものだ
“Discontent is the first necessity of progress.”

不満や異議こそが、変革のエネルギーになる。エジソンは常にそう考えていました。社会に反発する若者たちを見た彼は、社会の進歩のために大事なことだ、と大いに評価したといいます。不満や困難を抱えているときこそ、変革のチャンス。いま日本が直面している少子高齢化、国際競争力の低下、エネルギー課題も、未来を創るチャンスであり成長機会のはず。最近、安倍首相も同じような発言をしていましたね。現状を打破しようという強いエネルギーを、大きなイノベーションに変えていきたいものです。

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ご紹介したいエピソードや名言はまだまだありますが、それはまた別の機会に。
エジソンの思想は極めてシンプルで、“時代が流れたとしても不変の真理”をとらえていることが分かります。130年以上を経ても変わらぬ思想があるからこそ、GEは時代の変化とともに変わり続ける勇気を持てています。


※記事最上部の写真:Getty Images

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