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鳴り止まない拍手:ドバイ航空ショーでお披露目されたボーイング777X

トーマス・ケルナー

クリス・ヌーン

ボーイングは何年もかけて次世代ワイドボディ旅客機777Xを開発しました。ですが、開発にかけた時間に反比例するように、最新の777Xはシアトルからアラブ首長国連邦まで(約11,920㎞)わずか15時間で飛び、ドバイ航空ショーが開幕した11月14日に飛来してお披露目されました。その第一印象はどのようなものだったのでしょうか。報道の中には「想像をはるかに超えた堂々たる姿」と新聞の一面見出しに取り上げたものや「X(未知数)」を強調し「X-pectant:未知の世界を予感」と評したものもありました。

当日のドバイへのフライトは、ボーイング777Xにとって初のアメリカ国外へのフライトであると同時に、開発当初から最も長距離のフライトとなりました。777Xに搭載される2基のエンジンはGEアビエーション製のGE9Xエンジンで、世界でこれまでに製造されたものの中でも最大かつ最もパワフルな旅客機向けジェットエンジンです。777Xの中でも、777-8は座席数が384席、航続距離は8,730海里(約16,170㎞)ありニューヨークからニュージーランドのオークランド間をノンストップで飛行する能力があり、今回ドバイ航空ショーに飛来し展示されている長胴型仕様の777-9の座席数は426席、7,285海里(約13,500km)を飛行することが可能です。

GEアビエーションのGE9Xエンジンはボーイング777Xのイノベーションの1つで2017年からテストが始まりました。このエンジンはアメリカ初の有人宇宙飛行に使用されたロケットエンジンを上回る134,000ポンドの推力を誇ります。

GEアビエーションのGE9Xエンジンはボーイング777Xのイノベーションの1つで2017年からテストが始まりました。このエンジンはアメリカ初の有人宇宙飛行に使用されたロケットエンジンを上回る134,000ポンドの推力を誇ります。トップ画像および上画像提供:GEアビエーション

GE9Xエンジンのフロントファンは第4世代の炭素繊維複合材を使った16枚のファンブレードで構成されています。フロントファンはその直径を1インチ(約2.6cm)拡大するだけでも高い技術力が求められますが、最先端の素材を活用することで、フロントファンの直径をボーイング737の胴体幅に匹敵する11フィート(約3.4m)にまで拡大することが可能になりました。設計者たちは旅客機用エンジンでもフロントファンを拡大することで、乗客が求める飛行速度を保ったまま、更なる燃料消費の効率化も実現しました。

GE9Xエンジンのバイパス比は10:1を超えています。これは、エンジンの中心部を通過する空気量よりも、その周囲とファンを通過する空気量の方が10倍多いことを意味しています。

またGE9Xエンジンには軽量で耐熱性に優れたセラミック基複合材料など最先端の素材を活用した部品や、3Dプリンティングなどの先進テクノロジーを応用し開発された部品も採用されています。

こうした設計により、前身のGE90エンジンに比べGE9Xの燃料消費率はさらに10%改善し、CO2排出量も10%削減されました。これは航空会社にとって、燃料費が事業経費の大きな割合を占めていることを考慮すると非常に大きな意味を持ちます。

さらにGEアビエーションは、ボーイング777Xにエンジンというパワーをもたらすだけでなく、コモン・コア・システム(Common Core System、以下CCS)という頭脳も供給しています。CCSは航空機にとって脳や中枢神経系のようなもので、コンピューター、データネットワーク、センサーなどの電子機器から構成されるアビオニクスを管理します。システムに含まれるものの1つにはとしては操縦席の会話、パラメトリックフライトデータ、データ通信の履歴を記録する高性能飛行中フライトレコーダー(Enhanced Airborne Flight Recorder、以下EAFR)が挙げられます。すでに数千機もの軍用機をはじめボーイング787ドリームライナーもGEのEAFRを搭載しています。

またGEアビエーションはボーイング777Xの電力ピーク値監視システム(Electrical Load Management System、以下ELMS)、バックアップ発電機やバックアップ変圧器の納入企業としても、ボーイングと緊密に協働しています。最新の発電システムは現行のボーイング777のものに比べ2倍の発電量になるため、搭載するELMSシステムもいままでより30%多い電力を制御しています。

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