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脱炭素化への道:低炭素の未来を実現する方法、エネルギー産業のアイデアとは?

ダニエル・クルーガー

最近、ワシントンD.C.では脱炭素化へ向けて再生可能エネルギーをより多く供給することについて議論が重ねられています提案の中には、風力および太陽光発電の税額控除延長や、今後10年間で30GWの電力を生み出すのに十分な洋上風力タービンの建設などが含まれています。30GWという発電量は、米国の1千万世帯を超える家庭に電力を供給し、CO2排出量を7,800万メートルトン削減することを意味します。

エネルギー業界はこれらの議論の場に貴重な見識を提供することが出来ます。たとえば、米国では既に20を超える大規模電力事業者が2050年までのカーボンニュートラルにコミットしています。「電力部門が脱炭素化の主導的役割を果たしていることは間違いありません。民間の発電事業者は2030年までにCO2排出量を50%削減する方向に向かっており、さらにペースを速める準備を進めています。バイデン大統領の掲げる公約に応えようとしているのです」と、元エネルギー長官のアーネスト・モニツ(Ernest Moniz)はGEがスポンサーを務めるワシントンポスト紙のライブストリーミング配信イベント「Future of Energy」で述べています。

とはいえ、低炭素未来への道は平坦ではありません。近年成長が著しい再生可能エネルギーによる発電は、風力と太陽光発電を合わせても依然として世界のエネルギー消費量の10分の1に満たないのです。また、世界中の発電事業者がCO2排出量の多い石炭火力発電を削減しようとしていることから、今後用いられる代替エネルギーは、単にCO2排出量が少ないだけではなく、無風や雨天でも常に利用可能であることも求められるのです。

石炭の代替として常に利用できるようにするのはとても高いハードルとなります。国際エネルギー機関によると、石炭火力発電は2020年に世界発電量の35%である一方で、2018年における世界のCO2排出量の3分の1近くを占めているのです。そこで、石炭からの置き換えにふさわしいエネルギー源の一つとして注目されるのが天然ガスです。ガスを燃料とする発電所は、石炭よりも50%から65%少ないCO2の排出削減が可能です。さらに、最新のガス発電所は、たとえば急に風が止んで風力発電ができなくなった場合でも、すばやく出力を上げることができるという利点があります。実際、2007年以来、米国の電力部門がCO2排出量を33%削減することができた最大の要因は石炭からガス発電への転換が進んだことによるものです。GEも、天然ガスを再生可能エネルギーによる発電に不可欠な補完エネルギー源として捉え、送電網への投資も組み合わせることにより、脱炭素化がさらに促進されると考えています。「目の前に喫緊の課題があるからこそ、私たちは今、より多くのことで、より速く行動に移す必要があります。まず始めに電力部門から取り組みます」と前述のワシントンポスト紙ライブイベントのスポンサーセグメントで参加したGEガスパワーCEOのスコット・ストラジック(Scott Strazik)は述べています。

上部画像:GEがスポンサーを務め、ストリーミング配信されたワシントンポスト紙「Future of Energy」プログラムでは、電源としての再生可能エネルギーの利用を、さらに家庭や企業に促すにはどうしたらよいかが議論されました。(最上部)画像提供:ゲッティイメージズ)。上部画像提供:GE。

低炭素電力に関心を示す利用者は、家庭や企業だけとは限りません。運輸業界でも今後のさらなる電動化も見据えつつ、より持続可能なエネルギー源を見つけ出そうとしています。発電方法がより持続可能なものにならなければ、たとえば電気自動車といった成長とともに電気の利用増を伴う業種では結果的に期待した効果が得られないかもしれません。もし、より持続可能な発電方法が実現できないのであれば「今後さまざまな業種・業界が電動化されても効果は得られません」とストラジックは言います。

GEは先日、ガスと再生可能エネルギーを組み合わせることで得られる成果について論じたホワイトペーパーを発表し、CO2削減への道筋を示しました。このペーパーでは、できる限り速いペースで再生可能エネルギー源の利用を増やすと同時に、最新のガス発電所への投資を行うことにより、最終的には石炭火力発電の廃止も含まれるとしています。さらに第三のステップとして、送電網に投資して整備することで、さまざまな立場、つまり電力を供給する側にも消費する側にもそれぞれに配慮できると述べています。

送電網の近代化に関する議論は、技術の進歩が発電方法のみにとどまらないことを示す重要なものとなります。ソフトウェアやデジタル化への投資は、たとえばモノのインターネット(IoT)によるモニタリングやモノ同士の通信の自動化などがありますが、さらに広い分野で生産性と安全性を大幅に向上させることができます。 GEのシニアバイスプレジデント兼最高技術責任者を務めるヴィック・アバーテ(Vic Abate)も、ワシントンポストのイベントで「送電網が近代化し、最新技術を活用することで得られるメリットはとても大きいものです。送電網に投資するという政府の計画をさらなる追い風とし、GEは再生可能エネルギーを一層推し進めるチャンスを得るとともに、よりレジリエンスを高め、脱炭素化への道をより堅固なものにしていきます」と述べています。

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