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Special Delivery:世界最大推力のエンジン、ボーイング777Xの実用化に向け一歩前進

世界最大かつ最も推力の大きい民間航空機用ジェットエンジンであるGE9Xエンジンが実用化に一歩近づきました。GEアビエーションは先日、GE9Xエンジンの最初の4基をワシントン州エバレットにあるボーイングのワイドボディ機工場に納入しました。1対のエンジンが新型ワイドボディ旅客機ボーイング777Xに搭載されます。

GE9Xエンジン・プログラムのゼネラル・マネージャーであるテッド・イングリングは、ギネス世界記録にも認定されているエンジンが社内試験に合格したとAINonlineに述べました。高圧コンプレッサーの静的コンポーネントが早い段階で劣化するという耐久性の問題が見つかったため、GEは2019年夏からエンジンの生産を停止していました。GEのエンジニアは設計の空力特性を一切変えずにコンポーネントの耐久性を高める方法を探り、エンジンの性能と動作特性を保持しながら耐久性を向上させることに成功しました。

GEは10基のエンジンを製造済みで、その内8基が飛行テスト機への搭載用、2基がスペアとしてボーイングに納入されました。

777Xは2020年1月24日に初飛行を行いました。ボーイングは2021年初頭の型式証明の取得を目指しています。

すでに世界最大の民間航空機用ジェットエンジンとして登録されているGE9Xは、2017年の試験運転で134,300ポンドの推力を記録し、世界最大推力のエンジンとしてギネス世界記録に認定されています。GEはすでにANAをはじめ世界中のエアラインから700を超えるGE9Xエンジンの注文を受けています。

ボーイング737の胴体とほぼ同じ大きさのエンジンのフロントファンは直径が11フィートあり、GE90用に開発された第4世代の炭素繊維複合材製ファンブレードが取りつけられています。軽量で耐熱性のあるセラミックマトリックス複合材などの最新の材料で作られた部品と、3Dプリンティングなどの高度な製造技術で作られたコンポーネントで構成されています。「セラミックを使用することにより、GE9X内で 60:1 の『圧力比』を達成できるようになりました」と、巨大エンジンを披露した昨年のパリ航空ショーでイングリングは述べています。「これは大きな成果です。その結果、GE9Xエンジンは他のGE90型エンジンよりも格段に高い性能を持つものの劇的には大きくなっていません」

イングリングによると、エンジンの燃費を前モデルよりも10%向上させたのは新しい技術と材料です。燃料費が航空会社の運営費の平均20%にもなることを考えると、これは大変意義のあることです。「私は常に最先端のテクノロジーに取り組んできたので、退屈な瞬間などありませんでした」とイングリングは述べています。

世界最大かつ最も推力の大きい民間航空機用ジェットエンジンであるGE9Xエンジンを搭載したボーイング777Xが、
実用化に一歩近づきました。上記画像提供者:GE Reports トップ画像提供者:GEアビエーション

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