
GEが2022年第4四半期決算を発表:GE Aerospaceと電力事業が牽引、好調な第4四半期および通期決算を達成
GE Reportsスタッフ
GEは1月24日に2022年第4四半期および通期の決算を発表しました。GEの会長兼CEOでありGE AerospaceのCEOでもあるH・ローレンス・カルプ・ジュニアは次のように説明しました。「2022年はGEにとって新たな時代の幕開けとなりました。GE HealthCareの分社化を完了したことに加え、好調な決算を計上し、事業の大幅な改善も実現しました。これからも、お客様への揺るぎないコミットメントを継続してまいります。」
カルプは次のように続けました。「GEは売上高の伸び、利益率の拡大、キャッシュ創出力の改善を実現し、好調に2022年を終えることができました。」また、GE HealthCareに触れ、年明けの1月3日に分社化を完了したこと、それに伴いこれまでGE本体が保有していたGE HealthCare株式の約80%をGEの株主に分配したことも報告しました。
GEの2022年第4四半期決算では、すべてのセグメントが受注高を大幅に積み増し、既存事業ベースで前年同期比18%増となりました。売上高は既存事業ベース*で11%の増収を計上しました。これは、GE Aerospace、GEパワー、GE HealthCareの各ビジネスが牽引したもので、堅調な需要、適切な価格の設定、並びに納期の改善が背景にあります。とりわけGEパワー事業が好調だったことから、GEの調整後営業利益率*は、既存事業ベース*で290ベーシスポイント拡大しました。増収増益したことにより、GEの調整後1株当たり利益*は50%を超える伸びを示しました。さらに、好調な収益と運転資本の改善に注力したことにより、第4四半期に43億ドルのフリーキャッシュフロー*創出も達成しました。
カルプはGE全体の業績について振り返り、次のように述べました。「各チームの質の高い献身的な努力のおかげで、GEは堅実な売上高の伸びと利益率の改善、そして通期で48億ドルのフリーキャッシュフロー*を創出してこの1年を終えることができました。特に第4四半期には、GE Aerospaceの既存事業ベースの受注高と売上高*が20%を超える伸びを示したことや、GEパワー事業の2桁成長なども奏功し、今回の好調な決算を達成しました。」
2022年通期では、GE全社の受注高は7%増加し、そのうち既存事業ベースでGE Aerospace では22%、GEパワー事業では13%、それぞれ拡大しました。特筆すべきは、サービス部門総計の受注高が12%増加し、2023年も高収益を伴う成長を支える土台となることです。また、GE全体の売上高は、既存事業ベース*で6%の増収となりましたが、これは既存事業ベース*で23%の増収を確保したGE Aerospaceが大きく貢献したことが要因です。また、通年の調整後利益率*は、サービス部門が堅調に成長したことにより、既存事業ベース*で160ベーシスポイント拡大しました。
さらに、カルプは2023年通期見通しを示し、GEが引き続き成長、利益、およびキャッシュの創出において確固たる立場にあることを説明しました。既存事業ベースの売上高*は1桁台後半の増収が見込まれ、調整後1株当たり利益*は1.60ドルから2.00ドル、フリーキャッシュフロー*は34億ドルから42億ドルになるとみられています。
カルプは続いて、GE AerospaceおよびGEのエネルギー事業のポートフォリオを結集するGE Vernova**の両社が、それぞれ上場会社として独立する計画も順調に進んでいることにも言及しました。
まずGE Aerospaceについてカルプは次のように述べました。「GE Aerospaceは高度に差別化された製品およびテクノロジーのポートフォリオをもち、将来性豊かな民間機および軍用機の両分野で主導的地位を占める一流の企業体です。」GE Aerospaceのビジネスは、よりスマートで効率的な「新しい空の旅」に向けて最適化を図りつつ、既存の機体へのサービスおよびエンジンやサービス事業の継続的発展を拡充し、お客様をサポートします。
GE Aerospaceの第4四半期決算においては受注、売上高が好調な成長を遂げ、両者とも既存事業ベース*で前年同期比20%以上の拡大を示しました。そのうち民間航空サービス部門および機器の売上高は既存事業ベース*で約30%増加し、軍事関連部門の売上高も既存事業ベース*で約 20%拡大しました。なお、オーバーホールや修理の件数は約25%増加しました。部品の受注も好調で、LEAPエンジンの受注ユニット数は50%近く伸びました。
また、GE Aerospaceの軍事・防衛分野のお客様からも強い関心が寄せられており、F-35戦闘機に搭載されるXA100ジェットエンジンを含むGEの次世代テクノロジーに対する需要の高まりを示しています。カルプは、「こうした次世代テクノロジーは米国の航空産業が優位性を保ち続ける」ことをより確かなものにすると同時に、GE Aerospaceがこれからの1年で推進するプログラムの一つであると述べています。つまりカルプは、GE Aerospaceが「産業界に独自の存在感をもつリーディングカンパニーであり、明るい未来を担う、並外れて優れた企業体である」と強調しました。
GE Vernova** CEOのスコット・ストレイジックのリーダーシップのもとで展開されつつある変革の証として、カルプは次のように述べています。「パワー事業は2022年に堅実な業績を計上し、リニューアブルエナジー事業でも同様の戦略を実行して前進しています。」
パワー事業では、すべてのビジネスで受注が拡大し、第4四半期の売上高は既存事業ベース*で2桁の増収を達成しました。これは主にガスパワー事業においてエアロデリバティブ(航空機用エンジン転用型)ガスタービン部門が引き続き好調であることが要因です。カルプは、パワー事業がサービスの継続的成長という好ましい状況にあること、またHA(high-efficiency, air-cooled:高効率空冷式)ガスタービンが好調であり、殊に将来の引き渡し時に代金の回収を行うHAタービンが約2倍と顕著に増加していることも指摘しました。その恩恵はキャッシュ創出力を着実に増強する源泉となっています。「このような継続的な利益成長とキャッシュ創出力の強化によって示されるように、私たちはGEパワー事業を劇的に改良することができました。」
一方、リニューアブルエナジー事業には引き続き厳しい状況が続いているものの、それを乗り越えるためにストレイジックと彼のチームは課題をコントロールしつつあります。その結果、2022年第4四半期は、グリッド事業の黒字回復を実現しました。また、リパワー事業を除く陸上風力サービス部門の受注と売上高が伸び、より好条件の受注価格と販売価格を確保するなどの進展も見られました。このような成果も加味することで、カルプによると、収益見通しにおいて米国インフレ抑制法などの重要な外部要因も長期的な経済的恩恵として働くことから、リニューアブルエナジー事業は今後も有望であるとしています。
カルプの説明はさらに続きます。「GE Vernova**の事業ポートフォリオが網羅するGEの既存テクノロジーは、エネルギー転換においても重要な役割を果たすでしょう。なぜなら、世界の電化と脱炭素化という戦略的要請は、私たちGE Vernova**のような数多くのインストールベースを持つ企業が対応すべき課題だからです。」
GEの今後の展望として、カルプは次のように結びました。「私たちは、『新しい空の旅』を切り開き、『エネルギー転換』をリードしていく中で、長期的な成長を生み出すのにふさわしい2社の分社化を進めています。この2社は、確固たる強みを備え、独立した投資適格企業であり、業界をリードする2社となります。」
* GAAPベースではない財務指標。これらのGAAPベースではない財務指標を使用する理由および最も直接的に比較できるGAAP財務指標との調整は、ge.com/investorに掲載されているGEの2022年第4四半期決算資料をご参照ください。将来見通しの記述に関する重要情報についてはこちらをご覧ください。
**GEのエネルギー事業ポートフォリオ名