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ピーク・パワー(最大電力):イラクが電力インフラ強化のためにGEと契約を締結

ブレット・ネルソン

耐えられないほどの猛暑となるイラクの夏。気温は110 °F(約43℃)を超え、エアコンの使用過多に耐えられるよう国内の電力供給をさらに増やす必要があります。

そこでGEは、イラク電力省とのパートナーシップを通じて信頼性の高い対策に取り組むことになりました。8月下旬、両者はイラク国内の主要な発電所の改善及び送電網の強化を目的とした2件の契約を締結しました。

総額12億ドルを超えるこの契約は、経済政策から新型コロナウイルス感染症対策まで様々な課題について米国とイラクが議論する最新の戦略的対話の中で成立したもので、電力インフラ強化に向け継続的に取り組んできたイラクを支援するものとなります。

「私達が最も重要視するのは、特に夏季に国民や産業界のニーズを満たすことのできる停電のない電力供給です。」と、イラクのマジッド・アル-エマラ(Majid Al-Emara)電力大臣が語ります。「電力技術のリーダー的存在であるGEと締結した新規契約は、国内の電力供給拡大に向けたGEとの強固なパートナーシップを基盤としており、私達が提示した条件を申し分なく満たしています。」

1件目の契約では、5億ドルを投じてGEが国内の発電所の部品交換及びメンテナンス・サービスを行い、計6ギガワットの電力供給を維持する予定です。これはGEが昨年12月から新たに供給している1.5ギガワットに、夏季のピーク時の需要に対応するための4.3ギガワットを上乗せするものです。

さらにイラクの送電網の強化対策として、GE リニューアブルエナジーのグリッドソリューションが隣国ヨルダンの送電網との接続を行い、全体的な送電混雑を解消して安定した電力供給を確保します。この7億2700万ドル規模の契約は、高電圧変電所、架空送電線、地下ケーブルの設計及び設置などを用いて、長年の戦乱から立ち直りつつある地域を支援するため安定した電力を供給することを目的としています。

最後に、GEはこれらのプロジェクトに10億ドル以上の資金を調達するため、複数の輸出信用機関(ECA)とも連携していきます。

1965年に初めてのガスタービンを導入して以来、GEは半世紀に渡りイラクの電力供給を支えてきましたが、わずか10年前までは1日平均で数時間しか電力供給されない地域があるというのが実情でした。

そこでGE はステップアップし、2011年以降、15ギガワットの電力供給で同国の支援を行いました。これには、イスラミックステート(過激派組織「イスラム国」)グループから解放されたディヤラ(Diyala)やモスル(Mosul)等の地域における最大1.4ギガワットの電力供給も含まれます。また、エネルギー分野のプロジェクト向けに24億ドル超の資金調達を実施しました。

現在、GEの技術はイラクの全電力供給の55%に及んでおり、社員約300名(ほぼ全員が現地のイラク人)が国内各地で勤務しています。しかし、今後取り組むべきことはまだ多く残っています。現在、イラク人の大半は1日平均12~16時間しか電力を使用できず、1日24時間の安定供給を受けることができるのは一部の地域のみです。

GEパワーのガスパワー部門でCEOを務めるスコット・ストレイジック(Scott Strazik)は以下のようにコメントしています。「人口の増加や産業及び開発プロジェクトの支援を目的とした電力需要の増加を受け、需給ギャップを特定して解決することが当社の取り組みの中心となります。必要な時に必要な場所に電力を供給する当社の能力に信頼を寄せていただいたイラク政府に感謝の意を表します。今回の新規契約は、イラク政府の最優先事項である電力インフラの強化及び信頼性向上に寄与するでしょう。」

トップ画像:Getty Images

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