ロゴ

GEが2020年のアニュアル・レポートを発表:カルプCEOからのメッセージ

株主の皆様へ

2020年は困難に見舞われた1年であったと共に、世界がどのように立ち向かったかも印象に残る1年となりました。そうした中にありながら2020年もGEが前進したことを誇りに思います。GEには立ち止まらずに進み続ける力があり、今後もその力をさらに発展させていく所存です。

たしかに、厳しい道のりではありました。2020年の年明け当初は確かなプランのもと、GEアビエーションとGEヘルスケアがその力強さを発揮し、GEパワーとGEリニューアブルエナジーの回復も順調に進んでいました。その後、新型コロナウィルス・パンデミックで世界は変わり、私たちの生活と働き方も大きく変化し、今も多くの人命が失われています。GEにおいても、航空関連事業が急速に減少し、また世界的なサプライチェーンの混乱で打撃も受けました。

私はこの2年以上にわたり、実務経験に裏打ちされた社員のコミットメントとその気概をよく目にしてきましたが、パンデミックに直面して以来、これほど彼らの力が発揮されたことはなく、あらためて社員のみなさんに深く感謝したいと思います。ミッションクリティカルな役割を果たすため、中国・武漢における初期段階の医療機器搬入から、世界中へ電力を供給し設備を稼働させ続けたことに至るまで、GEの社員は当初から第一線で役割を果たしてきました。

一例として英国チェルトナムを拠点とするアビエーション部門のチームを見てみましょう。新型コロナウィルスに感染し入院した患者の状態をチェックするモニターへの需要が急増し、GEヘルスケアの生産量を上回ってしまった際、チェルトナムにあるGEアビエーションの工場の余剰スペースを提供し、円滑に増産できるよう支援を行いました。GEのリーン方式と手近にあった資材を活用し、GEヘルスケアはゼロから計画を立ち上げ、15週間で新たに5,000台以上の患者モニターの生産能力を確保し、新型コロナウィルスと戦うための最重要機器のひとつを医療施設へよりスムーズに届けることに成功しました。

GEの各部門のチームは、お客様と共に電力供給、医療施設の稼働、航空機の運航を保ちました。これからもより強靭な企業として前進するため、以下の3つの原則に基づき事業モデルを策定しました。

第一の原則は現実と向き合う(embrace reality)ことです。昨年惜しまれながら亡くなった前会長のジャック・ウェルチは「目の前の現実と向き合うことが必要だ。これまでの、あるいは理想とする現実とではなく」と語っていました。私たちがこれまでに受けた事業への影響は深刻でしたが、この影響がどの程度になるのか、どのくらいの期間続くのか、ということを早い段階で知ることはできませんでした。私たちは思いもよらない事態に対し知恵を絞り、その結果がどうなるかに備える必要がありました。そのために毎日、場合によっては1時間ごとに集まり、情報収集とその対応策を練っていました。

二つ目は、各チームが集中力とモチベーションを維持できるように達成すべき目標とは何かを定義しなおす(redefine winning)ことです。2020年においては、多くの場合、ただひたすらにお客様の元に安全に届けること、たとえば(ロックダウンなどの状況の中でも)発電所の定期点検を継続すること、あるいは1台でも多くの人工呼吸器をラインから出荷することを意味していました。それはまた、オペレーションを含めGEができる全てに注力することも意味していました。

第三は、決めたことを実行する(execute the plan)ことです。私たちはコストの削減、キャッシュの温存と借入債務の管理のために迅速に行動しました。お客様である航空会社が直面している困難のさなか、長期的に事業を守るため、GEアビエーションの大幅な人員削減に踏み切るという苦渋の決断を下しました。

これらのステップは、私たちが立ち止まることなく前進し続けてきたことと結びつき、パンデミックによってもたらされた先の見通せない状況を乗り越える力をより堅固なものにしました。それはGEのパフォーマンスと企業文化を変革するための道筋を想定よりも前倒しで進めることにもつながりました。

2020年のスコアカード

先に記したように、このメッセージはGEをどのように運営するかについての共通のレファレンスとして参考になると思います。ここからは皆様と2020年のスコアを見ていきましょう。

2020年、GEの受注高と売上高は減少しましたが、主な原因はGEアビエーションに由来します。しかしながら、GEの受注残は3870億ドルと引き続き堅調であり、そのうちサービス部門が約80%を占め、お客様と日々コンタクトを重ねたことも相まって高い利益率となっています。事業環境に伴い当初は事業の利益率と利益は共に減少しましたが、事業計画の見直しとコスト削減により通年では改善しました。同様に取り組んだ成果として、困難なマクロ環境が引き続いたにもかかわらず、プラスのフリーキャッシュフロー*を実現しました。全パフォーマンスの概要は、この手紙の6ページ目をご覧ください。

2020年は3つの目標、すなわち事業を継続的に強化していくこと(continuing to strengthen our businesses)、財務状況を改善すること(improving our financial position)、そして長期的に収益を伴った成長を続けること(driving long-term profitable growth)を掲げていました。総括すると、今後の成長に向け非常に良い成果と共に2020年を終え、自信を持って2021年を迎えることができています。

事業を継続的に強化していくこと(Continuing to strengthen our businesses)

事業の強化は、まず最高のチームを作り上げることから始まります。2020年にGEは謙虚さ、率直さ、狙いを定める力(humility, transparency, and focusというリーダーシップ規範を掲げました。単なる言葉で終わることなく、実際に社内の働き方も変えています。謙虚さは、自分が何を理解していないかを知る助けになります。質問し、その答えを注意深く聞くことです。率直さとは、見える通りにそれを伝えることであり、信号が「赤」(悪い状態)でも「青」(良い状態)でも同じ尺度で強調することを意味します。狙いを定める力は、自分がこれから何をするべきか、または何をするべきではないかの優先順位をつけるのに役立ちます。

リーダーシップ規範により、私たちの「重心」を各ビジネスの前線に移すことで、GEの社員がお客様に寄り添い、適切なサービスを提供することを可能になります。また、リーダーシップ規範はGEが2020年の困難を乗り越えることを可能にするとともに、企業文化を変革するために必要不可欠なものの一つにもなりました。

さて、就任以来、適材適所を進めることは私の重要な業務の一つとなっています。2020年にはGEの新CFOとしてカロリナ・ダイベック・ハッペ(Carolina Dybeck Happe)を、アビエーション部門CEOとしてジョン・スラッタリー(John Slattery)を迎えました。さらに偉大な功績を残したデイビッド・ジョイス(David Joyce)の引退も皆様にご報告いたします。GEは社内外の多くのリーダーシップ人材も任命しており、最も直近では、新任取締役として元米国国防長官のアシュトン・B・カーター(Ashton B. Carter)を迎えました。また徹底した厳しい選考過程を経て、当取締役会は2021年のGEの独立監査人として他の監査法人と比較の上、デロイト(Deloitte)を選任したこともご報告いたします。

また、社員のインクルージョンとダイバーシティをさらに向上させるために必要な取り組みも進めました。マイク・バーバー(Mike Barber)をチーフ・ダイバーシティ・オフィサーに任命し、各事業部門にもそれぞれチーフ・ダイバーシティ・オフィサーを任命しました。前回から数年ぶりになりますが、本日GEのダイバーシティ・アニュアル・レポートを公開します。この分野の課題を即時に解決する策はありませんが、私は実質的な解決に取り組み続けることにコミットしています。この分野でのさらなる前進なしに最高のチームを構築することはできません。

ここからは、各事業部門の意気込みがどのように増しているかをご紹介しましょう。

GEのHaliade-Xは現在稼働中の洋上風力タービンのなかで世界最強です。この画像はオランダ・ロッテルダムで稼働中のプロトタイプですが、2020年には24時間の発電容量として312MWhを記録しました。

GEパワー

GEパワーは、エネルギーがより多くの人々へ届くよう、信頼性のある電力を世界中に供給するお手伝いをしています。 2020年、ガス発電事業とGE製ガスタービンは強靭に稼働し続けました。また、GEはお客様が脱炭素化を達成するための道筋を開発し続けてきました。たとえば、GEガスパワーの7HA.02ガスタービンは水素とガスを混焼する大型タービンとして初めて米国のプラントに設置され、電力を供給する予定です。さらに、GEパワーのポートフォリオは、原子力エネルギー用の小型モジュール式原子炉技術に磨きをかけました。

ほかにも、GEパワーはコスト、利益率およびキャッシュ創出の手法をさらに進展し続けてきましたが、その手法は、より緻密なオペレーションとしてGE全体でも取り入れることが可能だと考えています。GEガスパワーは、適切な受注残管理でリスクを下げる方法を編み出し、コストの削減と運転資本の改善にも取り組んだことにより、コミットメントから1年前倒しでプラスのフリーキャッシュフロー*を計上しました。GEガスパワーとGEパワーポートフォリオの両部門も今後数年間で利益率をより改善し、キャッシュを創出するためのより強固な基盤を構築しつつあります。

GEリニューアブルエナジー

GEリニューアブルエナジーは幅広い製品ポートフォリオを揃えており、陸上および洋上風力、グリッド、水力、太陽光、蓄電装置及びこれらを組み合わせるハイブリッドソリューションを提供します。新たな技術が均等化発電原価(LCOE)の低減につながることから、世界中の風力発電分野ではさらに大型でより高効率なタービンが求められ、今後も市場は追い風を受けることになる見通しです。

陸上風力部門は、2020年も記録的な販売基数を達成し、過去2年間、米国市場で首位の座を保ちました。また、洋上風力部門は、現在稼働中のものでは世界最強の洋上風力タービンであるHaliade™-Xの12MW型と13MW型がいずれも正式な型式証明を取得し、現在お客様から5.7GWに上るコミットメントを得ています。一方、グリッドソリューション部門と水力発電部門は、プロジェクトの運用を改善したことでコスト削減をもたらしました。他方、リニューアブルエナジー部門の受注残は増加を続け、過去最高の300億ドルに達し、利益率も向上しています。とは言え、まだ課題は残っており、各チームは引き続きオペレーションの向上に取り組みます。

GEアビエーション

2020年はGEアビエーションも逆風にさらされました。しかし、担当チームは乗客に空の旅を提供し続け、安全に目的地までお連れするという使命を決して忘れることはありませんでした。航空会社が5千億ドルの売上高を失い、需要が65%[1]以上減少したことを受け、GEアビエーションはお客様である各国の航空会社を支援し、キャッシュ節減と保有機の保守整備計画の進捗管理をサポートしました。

[1] International Air Transport Association (IATA) data, November 24, 2020.

また、GEアビエーションは年間を通じて利益率を改善し、ほぼ損益なしのフリーキャッシュフロー*を実現しました。GE9Xエンジンが米国連邦航空局による型式証明を取得したことで私たちの製品ポートフォリオはリニューアルされ、いずれの市場でも運航効率の画期的な向上をもたらすことになりました。さらに、LEAPエンジンの受注残はおよそ9,600基になりますが、これは12月にサービスを再開したボーイングの737 MAXに搭載するエンジンも含みます。一方で、GEの軍事部門はお客様の堅調な需要を受けて増産の準備ができていますし、貨物輸送部門においても強力なインストール・ベースを有しています。

空の旅が完全な再開を果たすのはいつかを予測することは依然として難しいものの、旅好きな方々はフライトの再開を心待ちにしています。これは世界にとっても、GEにとっても待ち遠しいことです。業界でも最も新しいエアバスとボーイング両社のナローボディ機へ再度サービスできることを心待ちにしながら、また多くのインストール・ベースも期待しています。

GEヘルスケア

GEヘルスケアが発表したパーパス ”improving lives in the moments that matter”(かけがえのない瞬間をより豊かに)は2020年も輝きを見せていました。GEヘルスケアのチームは人工呼吸器の4倍増産も含め、新型コロナウィルスによる肺炎の患者を診断し治療する際に不可欠な各種医療機器を増産し、現場での機器設置やサポートなども行いました。また、手続きが延期されたPharmaceutical Diagnostics部門など、他部門の事業の遅れもカバーしました。ヘルスケア市場での医療設備投資は部分的に回復してきているものの、事業計画は引き続き慎重に判断しています。

2020年のGEヘルスケアは既存事業の売上高が増加し、高利益率と好調なキャッシュパフォーマンスも実現しました。また今後に向けた投資として40以上の新たな機器を世に送り出すとともに、フォトンカウンティングCT技術(Photon-counting CT technology)を専門とするプリズマティック・センサーズ社(Prismatic Sensors AB)を買収しました。GEヘルスケアは事業の成長に沿って利益率を伸ばすだけでなく、引き続きデジタル技術の第一線に立つ画期的なイメージング技術に注力していきます。

GEキャピタル

GEキャピタルは、業界全般にわたる大きな混乱を乗り越えながら、特にGECASによる航空機リース事業によって、引き続き社内のインダストリアル部門を支援し全社的なリスク軽減に貢献しました。GECASはお客様ごとの異なる状況に応じ、保有する900機以上の航空機を管理するとともに、貨物機に対する高い需要に対応し、より機齢が若く燃費効率の良い機材をお客様が導入できるよう支援しました。今後、債務の減少と民間航空機市場の回復拡大により、GEキャピタルの収益は改善すると予想されます。

GEコーポレート

GEコーポレートでは、GEデジタルが10億ドル規模のソフトウェアユニットに成長し、利益とキャッシュ創出力の向上に貢献しました。また、GEリサーチ、インターナショナルマーケッツ、およびコーポレートの各部門は、GEが事業機会を見出し、成長する道筋を示す機能を担っています。さらに、GEライティングの売却も完了し、インダストリアル分野に重点を置く方向でさらなる選択と集中を進めます。

「私は、GEが2020年も前進できたことを誇りに思っています。このモメンタムを維持し、さらに発展させるつもりです。」

財務状況をより堅固に(Solidifying our financial position)

およそ2年前、GEはバイオファーマ部門をダナハー社に売却することを発表しました。当時GEが直面していた財務的な課題に対処するためには、世界をリードするヘルスケア企業のひとつといえども売却以外の選択肢はありませんでした。しかし、2020年になるとこの売却決定は避けがたいものだったことがわかりました。2020年3月31日に約200億ドルで事業売却が完了した時には、パンデミックによって予測不可能な市場になりつつあったにもかかわらず、GEの流動性は健全なままでした。

事業環境がより不安定になるにつれ、2020年春に借入金105億ドルを満期延長する一連の取引を実行したことで手持ちの流動性をさらに改善し、リスクも最小限にしました。また、借入枠やコマーシャルペーパーの発行枠内でも資金調達を控え、年金のリスク負担も軽減し、高めのキャッシュ残高も維持しました。その結果、2020年に合計で約160億ドル、2019年の初めからでは300億ドルの債務削減を実現しました。2021年を保有流動資産370億ドルで迎えたことから、予測不可能な環境を乗り越え、さらなる債務の削減を進め、既存事業の成長に取り組んでいくことができる見通しです。

今後も利益ある長期的成長を目指して(Driving long-term profitable growth)

お客様のなかには、GEのテクノロジーと各チームを評価してくださる方もいます。その一方、GEとのビジネスはどうもやり難い、と苦言を呈するお客様もいらっしゃいます。私たちはこの問題について、ムダを削ぎ落すことに重点を置く「トヨタ生産方式」に習ったリーン方式を活用し、安全性、品質、納品スピード、コストを改善し、目先だけではない長期的な成長を目指していきます。

リーン方式はプロセスを見直し、問題を根本から解決することで継続的に改善するという効果があります。その成果は目に見える形で現れます。たとえば、カタールのドーハにあるGEアビエーションのオンウィングサポート施設では、リーン方式ツールを活用することでエンジンのクリーニングと修理プロセスのサイクルタイムを30%短縮しました。その結果、従来のようにエンジンを取り外して整備せずに済むため、お客様である航空会社はこのプロセスを既存のメンテナンススケジュールに組み込むことができ、時間も手間も節約できるようになりました。また、サウスカロライナ州フローレンスにあるGEヘルスケアのプラントでは、MRI機器用の磁石製造にリーン方式を採り入れることで、ボトルネックの発生箇所とオンタイム納入を妨げる要因を洗い出すことができました。結果として、オンタイム納入率は90%以上改善し、プラントの在庫も23%削減するなど各種の成果も得ました。重要なのは、どちらの例でもお客様により質の高いサービスを提供できるようになった点です。

リーン方式で改善できることは製造部門に限ったことではなく、他分野でも驚くほど広く活用できます。例えば、リーンの原則を使ってコーディング作業を改善したり、売掛金の回収方法を改善して効率を上げたりすることもできます。また、私たちは(特殊なものではなく)標準的なリーン運用モデルを活用して企業運営を行っており、四半期ごとに人材、経営戦略、予算などの重要なプライオリティを評価しています。このアプローチは、新設したオンラインのリーダーシップ育成研修やリーン研修プログラムと併せて推進され、私たちのビジネスをより深く掘り下げることに役立っています。

このように土台を築きつつある一方で、私たちの取り組みは始まったばかりです。日本語で継続的な努力を意味する「カイゼン」の精神において、前進することは次の成長機会を浮き彫りにします。リーン方式を社内に広く導入することで、GEがそのパフォーマンスを向上させ、自らの考え方を改善し続けることができるように懸命に取り組んでいきます。

Rising to the challenge of building a world that works

このひと言がGEを「どのように(how)」より強い企業に変革するかを表すものだとしたら、「なぜ、何のために(why)」に相当するのは to help build a world that works になります。GEは今後さらに求められる重要な3つの分野:脱炭素化を推進するためのエネルギー転換、患者それぞれに合わせた診断と治療を可能にするプレシジョン・ヘルス、よりスマートで効率的な新しい空の旅の実現――に注力していきます。

エネルギー転換(Energy Transition)

気候変動は世界共通の喫緊の優先課題です。世界には信頼性のある電力を利用できない人々がおよそ10億人いることに加えて、エネルギー需要はますます増加しつつあるため、温室効果ガス排出を削減しながら需要に応えることが必要です。世界の総発電量の3分の1に関わる企業として、GEには中心的な役割が求められています。2020年のCO2排出量削減目標を前倒しで達成した後、2030年までに事業におけるカーボンニュートラルを実現するとの新たな目標とともに、石炭火力発電所の新設事業からの撤退も表明しました。

ここであらためてお伝えしたいことは、GEの革新的なテクノロジーと知見は、脱炭素化を目指すお客様をサポートすることができる、いうことです。Haliade™-Xを始めとするこれまで設置された約50,000基の陸上および洋上風力タービン、さらにHAガスタービン、そしてより多くの再生可能エネルギーを送配電網に送り込むサポートとなるデジタルソリューションに至るまで、今日も大幅なCO2排出量削減を実現しながら、同時に低炭素発電のための技術開発をも加速させています。

プレシジョン・ヘルス(Precision Health)

医師、看護師および臨床医は日頃から人手不足と膨大な作業量に悩まされていましたが、新型コロナウィルスはこの問題をさらに浮き彫りにしました。医療リソースへのアクセス改善、患者に対するよりきめ細かな診断と治療、入院日数や診察の待ち時間の短縮、トータルな医療コストの削減など、医療業界の生産効率を向上させることがこれまで以上に急務となっています。

これからのヘルスケアとは、プレシジョン・ヘルスの実践、つまり統合され、効率的であり、高度にパーソナライズ化された医療を可能にすることを意味します。これを実現するには、患者さんへのケアにおけるすべての場面で人工知能と高度な分析を活用し、臨床医学とデータサイエンスを融合させる必要があります。GEヘルスケアのEdisonTMプラットフォームはそのデジタル技術の土台となるもので、ディープラーニングを通じてMRIスキャンをより鮮明かつ高速にするなど、医療従事者が最新かつ効果的な手法を用いて医療データを活用する手助けをします。今日も、そしてこれからもGEヘルスケアはインテリジェンスベースのヘルスケアシステムとさらなる健康的な社会に貢献していきます。

新しい空の旅(Future of Flight)

新しい空の旅には、航空業界がこれからどのように発展していくのか、また航空業界のもつ持続可能性と効率性をどのように改善するのか、という双方を明確にすることが求められます。世界中の商用および軍用エンジン向けインストール・ベースにサービスを提供することは、GEアビエーションはお客様のすぐ近くで、そのニーズを予測することができるということになります。さらに、燃費効率の良いGEのエンジンは、お客様である航空会社それぞれのCO2排出削減目標を達成し、新たな世界基準をつくるお手伝いをします。

GEの最新型エンジンは、その優れた燃費効率もあって非常に注目されています。LEAPエンジンはエアバスA320neoフリートのほぼ60%に搭載され、またGE9Xはすでに数百もの記録的な受注とコミットメントを得ています。現在試験中のGE Catalyst ターボプロップエンジンは、従来よりも燃料消費量を15%削減しました。さらに、GEによるハイブリッド電気推進システムへの取り組みは、今後の商用機の電動化を実現する一助となる可能性があります。

成長への道

以上に申し上げたことが、――to rise to the challenge of building a world that works――というGEが掲げるしるべを如何に実践したかの説明となります。GEの社員は2020年も課題を見事に乗り越え、長年積み上げた強みに加えて新たなスキルを習得しました。結果として、素晴らしい意気込みと共に2021年がスタートしました。

こうした動きの端緒を、2020年の業績パフォーマンスと2021年も改善が続く売上高、利益率及びフリーキャッシュフロー*の成長見通しに見ることができます。日ごろ皆様の目に触れることはあまりありませんが、GEのチームは少しでも成長するために、日々真摯に、粘り強く精力的に業務に取り組んでいます。彼らはリーン方式を活用してお客様にサービスを提供し、株主の皆様に報い、GEの未来をつくっているのです。

昨年、ガスタービンの製造方法を改善するために行われたリーン方式についてのイベントでは、私も細部まで携わりました。2020年はパンデミックの影響で予定していたほどGEの各拠点に出向くことができませんでしたが、サウスカロライナ州グリーンビルを再訪し、ガスタービン製造チームの昨年の成長は目覚ましいものだったことを実感しました。そして、お客様により良いサービスを提供するために、より良い方法を見出だしたいという彼らの熱意に圧倒されました。彼らは、当初はリーン方式を単なる新たなツールとしてしか捉えていませんでしたが、今ではまるで生まれつき備えていたツールであるように使いこなしているのです。在庫を減らす一方、リードタイム短縮、納期短縮も実現していることもその成果の一部です。チームはまた、次に目指すものも私に語ってくれました。その日は興奮したまま、GEにできることは何かと考え、さらなる再訪を胸に誓ってグリーンビルを後にしたのでした。

これまでに記したような例は、グリーンビル、チェルトナム、ドーハやフローレンスだけで起こっていることではありません。これらはリーン方式を活用した例として紹介したもので、今回はリーン方式とは何かを説明するためではなく、お客様にサービスを提供し、会社を強くするための取り組みをお伝えするために取り上げました。時とともに、このような取り組み方がGEにさらに良い結果をもたらすだけでなく、謙虚さ、率直さ、そしてGEが取り組むすべてにおいて狙いを定めて結果を出すことへの一助になると信じています。

今後とも、GEへの変わらぬご関心とご出資を賜りますようお願い申し上げます。チームの一員としてその職務を担うことができて光栄に存じます。

取締役会会長兼CEO

H・ローレンス・カルプJr  (H. Lawrence Culp, Jr.)

2021年2月12日

この日本語版は以下の英語版の仮訳です。詳しくはこちらをご覧ください。

URL:https://www.ge.com/investor-relations/annual-report

各資料はこちらからダウンロードできます。

Download 2020 Annual Report

Download 2020 CEO Letter

Download 2020 10-K

Order a Copy of the 2020 Annual Report

* Non-GAAP財務指標

メール配信メール配信