
「宝探しゲーム」よりも楽しいもの:GEのサマーキャンプに参加した女子生徒がSTEMを体験
キャロライン・モリス
今から10年以上前、GEの当時のCEOジェフ・イメルトはいわゆるSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で活躍する女性が少ないことを憂慮していました。そこでGEの各事業部門は、それまでの様々な社会貢献活動に加え、若い女性たちにSTEMの世界を体験してもらうために1週間にわたるサマーキャンプを開催することにしました。STEM分野に興味をもち、将来的に携わりたいと思ってもらうためです。
11年が経過した今、このサマーキャンプはすっかり伝統行事のように定着しました。8月初旬、今年もGEヘルスケアが運営するGEガールズキャンプ(GE Girls camp)がウィスコンシン州マディソンで開催されました。GEヘルスケアにとっては5回目の年次キャンプセッションとなる今回は約20人の女子中学生が参加しました。今回のこのマディソンでのキャンプは、GEがアメリカ国内およびスイス、スペイン、カナダ、インド、およびメキシコを含む世界の11カ所で実施するうちのひとつで、各地のキャンプとも地元のGE事業部や大学と協力して開催されます。(なお、キャンプ開催地数は新型コロナウイルスの感染拡大前は最大23カ所に達していました。)各キャンプともSTEM分野に注力することに変わりはないものの、キャンプの開催地毎に地元のGE社員によって工夫された独自のカリキュラムが組まれています。
マディソンのキャンプでは、開催期間の1週間を利用して製品開発プロセスを体験します。初日の課題はデザインで、風船とテープでタワーを作りました。翌日は電気工学を学び、その中で一番人気の体験はハンダ付けでした。3日目は機械工作で、橋やカタパルトの模型を作ります。4日目は製造プロセスを中心に学び、キャンプの前半で自分たちが設計したものを実際に製造できるのかを確認するために地元のGE企業を訪ねます。最終日はマーケティングが中心で、GEのボランティアで構成される「シャークタンク(Shark Tank:日本の『¥マネーの虎』のアメリカ版)」陣に自分たちの「製品企画書」をプレゼンテーションします。この数年でアクティビティも変化し、特に新型コロナウイルス感染症に影響されたこともあってオンライン形式や対面とのハイブリッド形式で行われる活動も増えています。
GEヘルスケアのマディソンキャンプは、超音波先端製造エンジニアリング・マネージャーのサマンサ・スウィート、女性の健康とX線クオリティ・リーダーのジル・コーネル、麻酔プログラムマネージャーのクリステン・シーショアが運営しています。「このキャンプの運営は、私が担当している仕事の中でも最も気に入っているものの一つです」とスウィートは語ります。
キャンプ自体は1週間で一旦終わりを迎えますが、「GE Girls」と呼ばれるスタッフはその後も参加者たちと繋がりを持ち、同窓会を開催したり、GE社員と交流する機会や奨学金獲得の道も提供しており、「この中の何人かが、いずれGEに就職してくれることを期待しています」とスウィートは話しています。




