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行動で導いていく:より透明性の高い企業幹部のコミュニケーションを求めている若手社員―GEの最新調査より

クリス・ヌーン

世界中の働く人々にとって、今は決して楽な時代ではありません。企業は、高金利、根強いインフレ、そして低迷し続ける消費者マインドを特徴とする不安定なマクロ経済環境と闘っています。その上、AIテクノロジーの進化のペースは、働き手を当惑させることも多いのが現状です。一方、企業の側も多くが新たな時代への適応に苦慮しています。例えば、ハイブリッドワークが導入されつつある昨今、とりわけオンサイトチームとリモートチーム間の連携強化も課題となっています。

このようなさまざまな不確実性を乗り越えるには、いわゆる明確なリーダーシップに加えて、行動に裏打ちされたリーダーシップが必要です。しかし、今回のGEとイプソス(Ipsos:注)による全米規模での新たな調査によると、経営幹部レベルおよび入社間もない従業員の両方の層とも、コミュニケーションとリーダーシップの重要性について同意している一方で、多くの入社間もない若手従業員は、自分たちのリーダーが有言実行できていないと考えていることが明らかになりました。

注:イプソスはグローバル・マーケティング・リサーチ企業。

今回の調査では、経営幹部の95%、入社間もない若手社員の81%が、企業幹部は「マインドセット」を全社員に伝えることが重要だと考えていることが明らかになりました。また調査回答者の72%が、所属する組織がこのマインドセットを明確に定義していると回答しました。経営幹部および若手の両回答グループとも、成功する企業が備える特徴として、品質、信頼性、誠実さ、イノベーションを挙げています。

しかしこの調査では、企業幹部と入社間もない若手社員の間に隔たりがあることも明かされました。企業幹部を務める回答者のうち、自社のエグゼクティブチームはリーダーシップ・マインドセットを体現していると答えたのが90%だったのに対し、若手社員で同じように感じているのは60%未満にとどまりました。また、企業幹部の育成に関しても見解の食い違いが見られ、企業幹部の回答者のうち、リーダーとしての成長を所属組織からサポートされていると感じているのが90%だったに対し、若手社員で同様に感じているのは68%に過ぎませんでした。

同時に今回の調査は、企業幹部の育成手法を改善し、組織のリーダーシップ・マインドセットとは何かをより明確にする機会となりました。ここでいうリーダーシップ・マインドセットとは、ビジネス目標を達成し、長期的な成功をより確かにする強力なリーダーを育成するために、従業員たちのなかに育てられる特性であると定義づけられています。その中でもとりわけ信頼性、知性、ビジョンの3つが、有能なリーダーの最大の特性に挙げられました。若手社員の10人中8人は、リーダーシップ・トレーニングは有意義であると述べています。また、リーダーシップ・マインドセットを浸透させる最も効果的なチャネルとして、従業員に対する教育研修、ハンドブック、企業ウェブサイト、社内ウェビナーや会議を挙げています。さらに、これらに適切に対応できた企業は長期的な恩恵が得られることや、企業のマインドセットをきちんと理解している若手社員の56%が、自身を所属企業にとって「ネットプロモーター(net promoter:自社に愛着や信頼を持ち、その良さをまわりに勧める人)」になると考えている、という結果も出ています。

「職場革命とは、従業員が働く場所やどのように働くかを変えるだけでなく、従業員がどのようにリーダーとして成長するかなのです」とGEのチーフマーケティングオフィサー兼教育・文化担当バイスプレジデントを務め、GEが資金提供しているチャリティ団体であるGEファウンデーションのプレジデントでもあるリンダ・ボフは述べています。

GEは9月6日、ニューヨーク市で開催された「The Lean Mindset: The Pursuit of Progress」と名付けられたイベントで、これらの調査結果およびリーン・リーダーシップと職場文化に関するその他の考察を発表しました。登壇者には、フォード、ウーバー、PG&Eの各CEOや、著名な心理学者で作家のキャロル・ドゥエック氏、NBAの伝説的選手であるヤニス・アデトクンボ氏らが名を連ね、継続的改善というマインドセットから得られる競争優位性について説明しました。

GEは過去5年間にわたり、リーン・マインドセットを深く浸透させてきました。ラリー・カルプCEOは、リーン・マインドセットとは、課題に「向き合い、その存在を認め、分析し、解決する」課題解決の文化であるとLinkedInに投稿し、定義しました。このアプローチにより、GEの社員は数千時間相当の業務を削減すると同時に、お客様により良いサービスを提供できるようになります。カルプは次のように述べています。「GEの絶え間ないリーン方式の追求は、私たちが会社組織として前進し、ポートフォリオの変革および3つの独立した上場会社の設立に向けた取り組みにおいて極めて重要な役割を果たしました。」また、カルプは前述のLinkedInへの投稿でミュージカル『ハミルトン』を引用し、GEのリーンへの道について「not a moment, it is a movement(これは一瞬の動きではなく、大きなうねりなのだ)」と記しました。しかしその一方で、継続的改善のスピリットを反映しつつ、リーン方式のマインドセットの可能性を完全に解き放つためにはGEにはやるべきことがもっとあるとカルプは感じています。

 

GEは、9月6日Bloombergのライブストリーム配信で「The Lean Mindset: The Pursuit of Progress」イベントを配信しました。本イベントのアーカイブ配信はこちらからご覧いただけます。

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