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GE Investor Day 2022: 2022年のフリーキャッシュフロー*を55億-65億ドル、2023年には70億ドル超との見通し

ステファン・フィッチ

GE Investor Day 2022ミーティングが3月10日に実施されました。GEの経営陣は2022年以降に向けたイノベーションと高い収益性を伴う成長を推進するための戦略を打ち出しました。

サウスカロライナ州グリーンビルのGEパワー・GEアビエーションの会場において、GE会長兼CEOを務めるラリー・カルプは次のように説明しました。「私たちはより優れた事業運営を行うことで、現在の、そして今後の株主の皆様のためにバリューを生み出し続けています。GEの各チームが持ち得る力を発揮してレジリエンスをもって尽力した結果、GE全社にリーン方式がより深く浸透し、権限移譲もより一層推進されることにつながりました。その結果、オペレーション、そして財務面でもサステナブルな改善を実現し、フリーキャッシュフローにおいて2022年に55億ドルから65億ドル、2023年には70億ドル以上を創出する態勢を整えました。バランスシートがより強靭になったことで、さらなる成長に向けてより多くの資本を投入することができるようになったのです。」

当日行われたプレゼンテーションではGEの2022年通期見通しが紹介されました。既存事業ベースで売上高が一桁台の高い増収*、利益率も既存事業ベースで150ベーシスポイント以上改善*し、調整後1株当たり利益*は2.80ドルから3.50ドル、そしてフリーキャッシュフローは55億ドルから65億ドル*との見込みという内容です。

今回のInvestor DayミーティングはGEヘルスケアの分社化前に実施される最後のミーティングとなりました。今後は、「プレシジョンヘルス」、「エネルギー転換」、そして「新しい空の旅」という重要なグローバル・ニーズにフォーカスを当てた3つの企業が誕生する予定です。カルプは次のように語りました。「それぞれのビジネスが強靭かつお客様の要望に沿う事業運営を推進することで、3社それぞれがアカウンタビリティやチームの連携力、そして柔軟な資本配分を向上させることになり、よりサステナブルで健康的かつコネクティッドな未来を実現することができるのです。」

上部画像:GEのフィールドサービス ビジネス部門を担うフィールドコア社(FieldCore)の担当チームは、リーン方式の導入と現場担当者のフィードバックを活用し、発電所の定期点検時の稼働停止期間を6週間から4週間に短縮可能とするLive Outageシステムを開発しました。画像提供:FieldCore。トップ画像:サウスカロライナ州グリーンビルのGEガスパワーでは、ジョン・バウチャー(Jon Boucher)が率いるチームがリーン方式を活用し、あらゆる側面から業務効率の改善を実現しました。画像提供:GEガスパワー。

さらに、カルプをはじめとする経営陣は、GEの戦略は次の3つの基盤から成り立っていると説明しました。1つ目はバリューを生み出せる強力なフランチャイズ、2つ目はより優れた事業運営、そして3つ目は現在及び未来の株主の方々により良い成果を届けることです。また、リーン方式についても触れました。安全性から製造、そして在庫に至るまで、あらゆるポイントで継続的に改善を行うことを重視するリーン方式を取り入れた経営は、GEの変革の中核をなし、すべてのビジネスで広く展開されているのです。

当日プレゼンテーションを行った発表者の中には、3つの事業部門でトップを務める3名も含まれ、それぞれが目標の実現を目指す姿勢を明らかにしました。はじめに、GEヘルスケアの社長兼CEOを務めるピーター・アルドゥイーニ(Peter Arduini)は、準備作業を進めている分社化が実現することで、いかにお客様によりフォーカスしやすく、さらに素早い事業展開が可能になるか、また売上高、純利益ともに、より成長を加速させることが可能になるかについて説明しました。

GEヘルスケアは、その類まれな大きな世界的プレゼンスを背景に、医療の分野で確固たる立場を築いています。GEヘルスケアは、患者一人一人にパーソナライズされた医療を提供するプレシジョン医療の分野で急成長しています。そして昨年には、手術中に患者の体内をリアルタイムで見ることができ、適切な判断を助ける高度な外科手術用画像可視化技術を提供するBKメディカルを買収しました。GEヘルスケアにはグローバルなプレゼンスがあります。10億人以上の患者にサービスを提供し、年間20億件以上の医療処置に携わり、世界の主要市場で400万台以上のシステムを納入してきた実績があります。GEヘルスケアは、リーン方式の基本に沿ってフォーカスを絞ることが、結果的にお客様により良いサービスを提供することを可能とし、オペレーションもさらに改善できると見込んでいます。

つぎに、GEのグローバルエネルギー事業ポートフォリオのCEOを務めるスコット・ストラジック(Scott Strazik)は、GEリニューアブルエナジー事業とGEパワー事業がエネルギー転換をリードしつつある点、また同分野の成長と脱炭素化への投資がさらに進んでいることを詳しく説明しました。GEパワー事業は、GEガスパワー部門の好転、堅調な需要、そしてサービス関連収入の増加により、安定した収益とキャッシュの創出に向けて順調に推移しています。また、GEリニューアブルエナジー事業は、洋上風力発電タービンのHaliade-Xの需要が高まり300基以上の受注を達成するなど、成長軌道に乗りました。このタービンはヨークシャー沿岸から約80マイル(約130㎞)離れた北海に建設される世界最大の洋上風力発電所にも設置される予定です。一方、リーン方式を取り入れた経営手法により、実際の改善につながっている事例もさらに増えています。例えばフロリダ州ペンサコーラにあるGEリニューアブルエナジーの風力タービン工場では、リーン方式を導入したことでタービンの生産工程に要する時間を12%短縮することに成功しました。またGEガスパワーでも、北米のお客様が保有する7Fガスタービンの定期点検に伴う稼働停止時間を改善するため、メンテナンス要員のレベルアップ、原材料の投入フローの最適化、そして現場の業務手順のデジタル化が進んだことにより、稼働停止時間の30%短縮を実現しました。

さいごに、GEアビエーションでCEOを務めるジョン・スラッタリー(John Slattery)が、市場の回復に伴い、民間航空機部門、軍用機部門とも機器類受注、保守整備受注件数がともに好調であることを明らかにしました。同時に、GEアビエーションが「新しい空の旅」の実現のために、電動化から水素を含むSAF(持続可能な航空燃料)に至るまで、さまざまなサステナブルな技術に投資していることも説明しました。例えば昨年10月、NASAとGEアビエーションは、単通路の航空機に搭載可能なメガワット級ハイブリッド電気推進エンジン技術の向上を図る新たなパートナーシップを発表しました。また昨年秋には、ユナイテッド航空が所有するボーイング737 MAX 8型機を使用しシカゴからワシントンD.C.に向かうフライトで、GEとサフラン・エアクラフト・エンジンが50:50で共同出資している合弁会社、CFMインターナショナル(CFM International)が製造し同機が搭載するLEAP-1Bエンジン2基のうちの片方の1基でSAF100%の商業運航を実施しました。このように、リーン方式の活用は、すべてのオペレーションの根幹をなすものです。ミシシッピ州ベイツビルにあるGEアビエーションの工場でも、リーン方式を活用することで、生産工程に投入する前に検査が必要な部品の点数を従来の50点からわずか数点にまで絞ることができました。

Investor Dayを締めくくるにあたり、カルプは次のように述べました。「GEは非常に恵まれた立場にあります。きょうもバリューを生み出し『Building a world that works』という私たちのパーパスをまっすぐに追求してまいります。」

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* GAAPベースでない財務指標

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