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地球のためのイノベーション:気候変動への取り組みを支援するGEのテクノロジーをまとめた世界地図

トーマス・ケルナー

GEは2020年、自社の事業活動におけるカーボンニュートラルを2030年までに実現することをコミットしましたが、さらに踏み込んだ目標を昨年夏に掲げました。それは2050年までにCO2排出量ネットゼロを実現するという計画で、そこにはスコープ3(※)排出量も含まれています。一方で、世界のおよそ10億人の人々が信頼性の高い電力を利用できていないことや、GEが展開する3つの主要事業であるアビエーション、エネルギー、ヘルスケアに対する需要が増加し続けているという事実が目標達成の壁として立ちはだかっています。GEのチーフ サステナビリティ オフィサーを務めるロジャー・マルテラ(Roger Martella)は次のように話します。「温室効果ガスの排出を削減しながらこうした需要に応えるにはイノベーションが必要ですが、GEはチャレンジの準備が整っています。」

※スコープ3:企業のサプライチェーン全体の温室効果ガスの排出量を3つに分けたうちの1つ。スコープ1および2は自社の製造過程での排出量だが、スコープ3はそれ以外(製品の原材料やその輸送、さらに製品の使用時や廃棄の過程)での排出量を指す。

今年のアースデイ(4月22日)にマルテラはLinkedInに投稿しました。「サステナビリティという課題解決は世界の誰にとっても待ったなしです。GEにとって、エネルギー、ヘルスケア、そしてアビエーションの課題解決には、社員一人ひとりの協力が欠かせないことを私たちは知っています。GEの社員は世界の脱炭素化の推進、『プレシジョン・ヘルス』の実現、そしてよりスマートで効率的な『新しい空の旅』の提案への鍵となる、ブレークスルー テクノロジーのイノベーターとしての役割を果たします。」

GEは今回、CO2排出量の削減に貢献する約60のグローバルGEプロジェクトをリストアップし、一枚の地図にまとめました。それぞれのプロジェクトでは、水素燃料の利用やCO2の回収・隔離(CCUS)、小型モジュール式原子炉、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、以下SAF)などのテクノロジーに関連するものです。地図はこちらでご覧いただけます。

例えば、オハイオ州にあるロングリッジ・エナジー・ターミナル社(Long Ridge Energy Terminal)は発電用燃料として水素を燃焼させることをはじめから前提として建設された米国初の発電所となり、新たな道を切り開いていく先例となる予定です。この発電所は米国の40万世帯に十分な電力を供給することが可能で、この施設の心臓とも言えるGEパワー製7HA.02ガスタービンは世界最先端のガスタービンの一つです。

また、火力発電所で燃焼後に排出されるCO2の回収・利用・貯留(carbon capture, utilization and storage:CCUS)も、世界の脱炭素化を今後数年でさらに推進するための重要な手段です。

さらに、ニューヨーク州ベルゲン(Bergen)ではGEリニューアブルエナジーの社員が世界最大級の3Dプリンティング技術を活用し、ハイテクコンクリートから風力タービンタワーの基礎を成型しています。この取り組みの成功により、風力発電産業における陸上風力タービンのサイズと出力のボトルネックを解消することが可能になり、より効率的な風力発電所の設計につながると期待されています。

そして、昨年12月、カナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション社(Ontario Power Generation)はGE日立ニュークリア・エナジーをパートナーに選定し、初の一般への電力供給に向けた小型モジュール原子炉(small modular nuclear reactor、以下SMR)を建設し、2030年末までに電力を供給することを目指しています。この発表以来、SMRはニュースで取り上げられるテクノロジーになりました。例えば、米国東部の大部分を担う電力会社であるテネシー川流域開発公社(The Tennessee Valley Authority、以下TVA)はことし2月、脱炭素化目標の達成に向け、先進的な原子力技術を探求する新たなイニシアティブに同意しました。この「New Nuclear Program」は先進的な原子炉技術をテネシー州クリンチ・リバー(Clinch River)発電所および「将来ほかのサイトにも展開可能なポテンシャルがあるかを検討するため」に最大2億ドルを供与することを目的としています。TVAはとりわけ、GE日立ニュークリア・エナジー設計のSMRであるBWRX-300に注目しています。

また、GEデジタルはエネルギー転換を加速させ、電力会社がより多くの再生可能エネルギー由来の電力を送出できるよう支援するソフトウェアを開発しています。航空会社を支援してCO2排出量削減を推進することや、製造工場がより効率的な稼働を担えるようサポートするソフトウェアも提供しています。

そして、GEアビエーションではことし2月にエアバス社とCFMインターナショナル(CFM International:GEとサフラン・エアクラフト・エンジンが50:50で共同出資している合弁会社)が、液体水素を燃料とするGE製航空機エンジンのテストで協力すると発表しました。担当チームは2020年代半ばに飛行試験用に改良されたエアバスA380に新しいエンジンを搭載することを計画しており、10年後には水素を動力源とする旅客機を就航させることを目標としています。そのような旅客機が就航すれば、飛行中のCO2排出量がゼロになることも想定されます。

また、CFMは昨年6月に「RISE(Revolutionary Innovation for Sustainable Engines)プログラム」の立ち上げも発表しました。このプログラムは、従来のジェット燃料を使うジェットエンジンの中で現在最も高効率なタイプと比較しても、燃料消費量を20%以上改善し、CO2排出量を20%以上削減する次世代エンジンの高度な技術を実証するためのものです。

GE製の航空機エンジンはSAFでも運航することができます。昨年11月、エティハド航空が運航したロンドン-アブダビ間の長距離フライトは、GEデジタルのソフトウェアやSAF混合燃料などの既存技術も活用し、2019年当時の同条件のフライトに比べてCO2排出量を72%削減することに成功し、航空業界の重要なマイルストーンを達成しました。GEはまた、NASAなどのパートナーと協力し、ハイブリッド電気推進エンジンの開発にも取り組んでいます。

一方、GEのサステナビリティへの注力はエネルギー事業やアビエーション事業に限ったものではありません。GEヘルスケアは臨床医が診断や治療法をパーソナライズ化したり、世界中の誰もがヘルスケアを受けられたりするための支援を行っています。

マルテラは次のように説明します。「Rising to the challenge of building a world that worksというパーパスは130年というGEの歴史を作るピースの一つです。今年のアースデイを機に、よりグリーンな未来を実現するためにGEの全社員がけんめいに努力を重ねている姿をご紹介できることを誇りに思います。パーパスを共有することで、ミッション達成に向けてすべてのGE社員が一丸となることが出来るのです。」

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