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大海原で高圧送電――北海の巨大ステーションがドイツの風力発電を拡大

カーステン・ストラウス

ドイツは、多くの国と同じく2050年までに電力の80%を再生可能エネルギーでまかなうことを目指し、大胆なエネルギー転換を進めています。その第一歩は、同国の沖合約80キロの鉛色の北海にそびえる高さ60フィート(約18メートル)を越える黄色い巨大な建造物です。

「DolWin3」と呼ばれるこの建造物は900MWのコンバーター・ステーションです。パリの凱旋門に匹敵する大きさで、風力発電の電力をドイツ国内100万世帯に供給できます。GEリニューアブルエナジーのグリッドソリューション部門が建設した総工費14億ドルのこの設備は、周囲の洋上風力タービンから電力を集め、海底ケーブル経由でドイツ本土の陸上ステーションに送電します。

トップおよび上部画像: DolWin3は900メガワットのコンバーター・ステーションです。パリの凱旋門に匹敵する大きさで、風力発電の電力をドイツ国内100万世帯に効率的に供給します。画像提供: GEリニューアブルエナジー

本土に送電するために、最先端の電流変換技術とソフトウェアを用いて、風力タービンが出力する交流電流(AC)を高電圧直流電流(HVDC)に変換します。この電流が全長160キロに及ぶ直径5インチ(約13㎝)の高圧直流ケーブルを通って陸上ステーションに送られ、再び交流電流に変換されて送電網から家庭や企業に供給されます。

交流を直流に変える効率的な電流変換は、再生エネルギーによる電力供給の拡大を後押しする技術です。特に、HVDCは遠く離れた洋上風力発電所で作った電力を陸上に運ぶカギとなります。この技術を使えばつい最近まで主流だった交流送電ケーブルよりもはるかに効率的に長距離の送電を行えるからです。実際、効率性に加えて安定性などの利点もあることから、HVDCケーブルは海底だけでなく陸上でも世界的に急速に普及しています。グリッドソリューション部門でグリッド統合ソリューション・ビジネスリーダーを務めるラジェンドラ・イーヤー(Rajendra Iyer)は語ります。「交流ケーブルを海底に敷設する場合、約40~50キロが限界です。」

DolWin3の内部。DolWin3は、GEとして初めて電圧源コンバーターバルブ(VSC)と呼ばれる最新のHVDC技術を活用したプロジェクト。画像提供: GEリニューアブルエナジー

しかし、距離の問題はDolWin3のオペレーターであるオランダ-ドイツの送電事業者TenneTが直面する課題のひとつに過ぎません。穏やかなカリブ海と異なり、北海は頻繁に荒天に見舞われることで知られており、スタッフを空路で現場に送り込むのが難しい場所です。そこでTenneTはGEに対し、ステーションをリモートで、すなわち現場に誰もいない状況でコントロールできるシステムの開発も求めました。

昨年の夏、両社は8~9月の6週間、コンバータを無人で試験的にコントロールすることに成功しました。イーヤーは指摘します。「つまり、お客様であるTenneTが陸上に設置している遠隔監視センターから全ての動作をリモートでモニタリングしてさえいれば、人間が現場で操作しなくても想定される警告やトラブルに対応できることがわかりました。」

DolWin3コンバーター・ステーションは、GEとして初めて電圧源コンバーターバルブ(VSC)と呼ばれる最新のHVDC技術を活用したプロジェクトです。このバルブは、英国スタフォードにあるグリッドソリューション部門のHVDCリサーチパークに所属する技術者が設計しました。「VSCテクノロジーは、最新のコンバーターバルブと制御システムを使用し、ドイツの電力網をサポートするための様々な制御・保護機能を備えています」とイーヤーは説明しています。

GEは英国沖合のソフィア風力発電所でも同様の設備を設計しました。こちらは、DolWin3よりさらに沖合に建設される予定です。

電流は、全長160キロの直径5インチ(約13㎝)の高圧直流ケーブルを通って陸上ステーションに送られた後、再び交流電流に変換されて送電網から家庭や企業に供給されます。画像提供: GEリニューアブルエナジー

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