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金色に輝くチャンス:GEインターンの水泳選手が東京パラリンピック米国代表としてメダルを狙う

ドロシー・ポメランツ

アハリヤ・レッテンバーガー選手(Ahalya Lettenberger)は、20歳にしてすでに素晴らしい経歴の持ち主です。ライス大学での専攻はバイオエンジニアリング(医学部進学課程:注1)で、水泳チームにも所属しています。この夏、彼女はGEのエジソン・エンジニアリング開発プログラム(Edison Engineering Development Program)を通じてGEヘルスケアのインターンシップに参加する権利を得ました。そこで彼女は新型コロナウィルス感染症の最も重篤な症例に対応し、生命維持のために不可欠な医療機器である人工呼吸器の性能向上を担うプロジェクトに携わったのです。

(注1:米国で医師免許を取得するためには4年間メディカルスクールに通う必要がありますが、そのためには4年制大学などで必要な単位を取得しておかなければなりません)

今、レッテンバーガー選手は子供の頃からの夢をかなえるために旅立とうとしています。その夢とはインスピレーションの源であるとともに、彼女自身の人生をかけても惜しくない目標と折れない心を与えてくれました。

東京2020パラリンピックという、今まで出場してきた競技会で最もレベルの高い舞台で米国代表として泳ぐため、レッテンバーガー選手は今月東京に向かいます。レッテンバーガー選手はすでに国際大会でも優勝する水泳選手として活躍し、金メダルや銀メダルを獲得してきました。彼女は生まれつき腰から下の動きに影響を及ぼす筋骨格系の障がい(musculoskeletal disorder)である関節形成不全症(arthrogryposis amyoplasia)を患う障がい者です。残念ながら新型コロナウィルスの感染拡大による規制のため、彼女の家族や友人ですら同行して応援することができません。それでも、彼女は自分と同じような境遇の人たち、とりわけ自分と同じ症状を持つ実の弟をインスパイアしたいと考えています。

「水泳を始めたときからの夢だったのです。一番の目標はこの経験を楽しみ、すべてを吸収してくることです。もちろん、メダルを獲得したいとも思っています。ですが、たとえメダルが取れなかったとしても、米国代表として世界で最高の舞台に立てる機会を与えられたことを感謝したいと思います」と彼女は語っています。

 

東京パラリンピックでは400メートル自由形と200メートル個人メドレーに出場しますが、そのためにはバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールの4つの泳法が必要です。水泳を始めて時が経つにつれ、彼女は長距離の種目に魅せられるようになりました。「その理由の多くは、私が泳ぐときに足を使わないことと関係があります。400メートル自由形のような長距離種目は、より自分に合っているのです」と彼女は言います。

シカゴ郊外で育った彼女は、サッカーやソフトボールを経験してきました。しかし、成長するにつれ、より速く走る人たちに負けないようにするのは難しいと感じてきました。彼女の膝は90度以上曲がらず、足首も全く曲がらないからです。そんな彼女に、近所の人が地元の水泳クラブに通うことを勧めてくれました。

「水泳が私にとって特別なものになったのは、装具をつけたり、車椅子に乗ったりする必要がなかったからです。プールにいるときの自由は、まるで第二の我が家のようだと感じました」とレッテンバーガー選手は語ります。

2013年、12歳のときに、レッテンバーガー選手は障がいを持つアスリートのための水泳大会に初めて出場しました。そのわずか2年後には、トロントで開催された2015パラパンアメリカン大会(Toronto Parapan American Games)の100メートル背泳ぎで金メダルに輝き、さらにロンドンで開催された2019世界パラ水泳選手権(World Para Swimming Championships)の400メートル自由形でも銀メダルを獲得しました。

ロンドンで開催された世界パラ水泳選手権の400メートル自由形で銀メダルを獲得したレッテンバーガー選手。画像提供:アハリヤ・レッテンバーガー。トップ画像提供:GEレポートのダニエル・キース。

メダルを獲得することはもちろん素晴らしい経験でしたが、多くのパラリンピックアスリートと出会い、その活躍を目の当たりにすることで大きなメッセージを感じ取ることができました。それは、彼女が自分のアイデンティティを見つける助けにもなりました。それまでのレッテンバーガー選手は自分の障がいを否定したり隠そうとしたり、時には自分の体に無理をさせたりしていたと言います。しかし、北京、ロンドン、リオデジャネイロのパラリンピックに3回連続出場した脳性麻痺のスイマー、コートニー・ジョーダン(Cortney Jordan)のような選手に出会ってからは、もう隠す必要性を感じなくなりました。障がいがあるからこそ、自分が特別な存在であることに気づいたのです。

「皆それぞれに違いがあり、それぞれの課題に立ち向かっているということが分かったのです。障がいは私の『人となり』を表すものではありませんが、そのおかげで今の私があるのも事実です。今、もし過去に戻って障がいを持たないようにできるか、あるいは治療法があるならそれを受けるかと聞かれたら、私は絶対に”嫌だ”と答えます。なぜなら、障がいがなかったら今の私はいないし、今いるこの場所にたどり着くこともなかったからです」と彼女は言います。

レッテンバーガー選手は、ジョーダン選手が自分のお手本となったように、自分が弟のチャーリー(Charlie)をサポートしていきたいと考えています。チャーリーは高校生で、彼女と同じく関節形成不全症を患っていますが、2人は通常は遺伝しない疾患を姉弟で患っている稀な症例を示しています(アハリヤとチャーリー姉弟には兄アレックスがいますが、彼に障がいはありません)。

「弟と一緒に育ったことは本当に特別なことでした。他の多くの人が経験しないような、より親密なつながりや経験を一緒にすることができたからです。私は自分の障がいを受け入れ、自立して、ほかの人と自分との違いを受け入れることができました。ですから、私がそうしている姿や水泳や人生で実現できたことを見せて、弟をインスパイアしたいと真剣に望んでいます」とレッテンバーガー選手は語ります。

レッテンバーガー選手と弟チャーリー。「私は自分の障がいを受け入れ、自立して、ほかの人と自分との違いを受け入れることができました。ですから、私がそうしている姿や水泳や人生で実現できたことを見せて、弟をインスパイアしたいと真剣に望んでいます。」画像提供:アハリヤ・レッテンバーガー。

GEでの仕事やライス大学での勉学以外の時間、レッテンバーガー選手は週に6日、時には1日に2回水泳のトレーニングをしています。今後、外骨格(注2)や義肢などの医療関連デバイスの設計の仕事に携わり、自分の身体の違いを受け入れる手助けをしてくれた各コミュニティに役立つ仕事がしたいと考えています。また彼女は、自宅周辺の短距離ならば自分で歩行し、それより遠くに移動する必要があるときは車椅子を使用しています。

(注2:障がい者が装着することで歩行を補助する。アシストスーツ、パワードスーツなど「着るロボット」も含まれる)

GEヘルスケアでの夏季インターンシップで、レッテンバーガー選手は麻酔・呼吸療法部門の一員として人工呼吸器のキャリブレーション(校正)プロセスを自動化するプロジェクトに携わりました。そのプロジェクトは、人工呼吸器に用いる試験用肺のキャリブレーションに必要な時間を、現在の手作業では5分から15分かかるところを、彼女が担当した自動化アプリケーションを使用することで1分以内に短縮することを目指すものです。

「エンジニアリングのプロセス全般について多くのことを学びましたし、他のGE社員と交流できる会議やグループもたくさんありました。製品の開発にはさまざまな段階があり、驚くほどたくさんの人たちが携わっていることを肌で感じることができました。とても素晴らしい経験でした」と彼女は語ります。

GEでのインターンシップを終えたばかりの彼女は、間もなく東京へ飛び立ちます。昨年、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で練習用プールも閉鎖され、オリンピック・パラリンピックの開催延期を余儀なくされたときも、レッテンバーガー選手はできる限りトレーニングを続けました。時には友人宅の長さ10ヤード(約9m)の小さなプールを借りて、自身を太いゴム紐で縛って泳いだこともありました。そして今、彼女はメダルの獲得に狙いを定めています。

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