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アクセルを踏め:記録破りのガスタービンが台湾の経済成長とエネルギー目標達成を推進

クリス・ヌーン

台湾は東アジアで最も力強く経済成長を続ける地域のひとつとしてエレクトロニクスや通信などの産業に大きな変革をもたらしてきました。これまで台湾は大量の化石燃料を輸入して経済成長を遂げてきましたが、2025年までに電力全体における再生可能エネルギーが占める比率を20%にするという目標の達成に向けて順調に歩みを進めています。台湾政府の統計によると、再生可能エネルギーが占める比率は2015年は9%以下でしたが、2019年には14%近くまで増加しました。

台湾がこのエネルギー新時代へスムーズに移行できるよう、GEは重要な役割を担っています。GEは現地のパートナー企業と共同で、出力6500メガワットの超大型コンバインドサイクル発電所プロジェクトを受注しました。この発電所は台湾が掲げた再生可能エネルギーによる発電比率を20%にするという目標の期限である2025年の1年前に発電を開始する予定です。台湾南部の沿岸部に位置する高雄市にある台湾電力公司(台電)の興達火力発電所と台湾の真ん中に位置する台中火力発電所は、急成長を遂げる台湾の風力・太陽発電を力強く下支えし、安定的電力供給の実現をサポートする役割を果たします。

本プロジェクトのコンバインドサイクル発電所の心臓部には、最高レベルの発電効率を誇るGEの7HA.03ガスタービンが10基設置されることになっています。 HAのHは高効率(high efficiency)、Aは空冷式(air-cooled)を意味しています。このタービンは1基あたり430メガワットを出力できます。

このコンバインドサイクル発電所では、ガスタービンから排出された熱を利用して、5基設置されるSTF-D650蒸気タービン用の蒸気の生成も行います。このガスと蒸気による2種の熱力学サイクルを組み合わせることで、発電所の総発電容量を大幅に高め、6500メガワットという驚異的な出力を実現します。

天然ガスが化石燃料のひとつであることは間違いありません。しかし、天然ガスは二酸化炭素排出量が比較的少なく、設置されるタービンは需要に応じて大量の電力を確実に発電できる機能を備えています。そのため、このコンバインドサイクル発電所は、風が吹いていない時や太陽が現れない時にも島内に十分な電力を供給し、台湾が再生可能エネルギーに移行するための重要な土台を提供するのです。

一方で、この興達火力発電所と台中火力発電所プロジェクトには、いざという時の予備電源以上の重要性があります。6500メガワットという出力量は米領プエルトリコ全土(面積は台湾の約25%)の総発電設備容量を上回り、台湾の電力需要のおよそ20%を常時満たせる数値です。これほどの膨大な出力量を可能にするのが、蒸気を併用したコンバインドサイクル内で運転される7HA.03タービンです。このタービンは従来の記録を塗り替える高効率性を備え、64%を上回る発電効率を実現します。

台湾にとってガスタービンの発電効率を高めることは、たとえそれが1%でも大きな意味があります。なぜなら燃料である液化天然ガス(LNG)は、天然ガスをマイナス265°F(マイナス160℃)まで冷却して液化され、カタールやオーストラリアなどから巨大なタンカーを使って輸送されるため、台湾はLNGの輸入に膨大な金額を費やしているからです。天然ガス1立方フィートごとから可能な限り大きなキロワット数の発電量を絞り出すことにより、台湾当局はLNGに費やす金額を年間数百万ドルも節約することができるのです。

GEは現地のコンソーシアムパートナーである中鼎工程股分有限公司(CTCI)と共同で、本プロジェクトの対象である発電所ブロックの設計・建設・運転を行います。これらのブロックにはガスタービンと蒸気タービンだけでなく、H65発電機15基、GEの貫流型排熱回収ボイラー10台と、発電所全体を制御するMark* VI発電所分散型制御システムを設置します。発電所の商業運転は2024年に開始される予定です。興達火力発電所と台中火力発電所では、新たに設置される発電設備の運転を徐々に拡大しながら石炭火力発電設備の運転を順次減らしていきます。この方針は、台湾の再生可能エネルギー発展法(REDA)の政策に即するものです。

自らの電力部門を刷新することは、台湾の「5+2産業イノベーション計画」の柱のひとつに過ぎません。これは、台湾が今後7つの産業及びプロジェクトに注力するもので、イノベーションの推進や高収入が得られる雇用の創出、高付加価値なビジネスセクターのバランスの良い発展などを実現することを目指しています。

GEはこの計画の中で、重要な役割を担うことになっています。台湾に1976年に進出したGEは、その航空技術で台湾の民間用ジェット機の80%をカバーしているほか、人々のニーズに応える多種多様な医療機器や医療サービスも提供しています。GEは今日、台湾の8都市に10のオフィスを有し、台北市に450人以上の従業員を擁する規模を誇る企業になっています。

興達火力発電所と台中火力発電所プロジェクトは、新型コロナウイルスへの対応も迫られることになるでしょう。しかし、GEはコロナ禍の中でも台湾の大潭発電所8号機・9号機と嘉恵発電所の建設を安全に遂行するべく努力を続けており、どちらのプロジェクトも試運転を開始できる直前の段階まで来ています。

今回受注したプロジェクトは、契約の締結と契約金の支払い後に確定してGEに正式に発注されます。正式発注はこれから6カ月以内に行われる見込みです。

上部画像: GEの7HA.03タービン 画像の提供:GEガスパワー

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