
データで空を飛ぶ:GEデジタルのソフトウェアがANAのサステナビリティ向上を支援
ウィル・パルマ―
トーマス・ケルナー
2021年11月、航空業界における大きなマイルストーンが達成されました。すでに利用可能な技術を駆使して、エティハド航空が運航するロンドンからアブダビへの長距離フライトでCO2排出量を2019年当時のフライトと比較して72%削減することができたのです。この時の機材はボーイング787ドリームライナーですが、GEのGEnxジェットエンジンを搭載し、SAF(持続可能な航空燃料)をブレンドした燃料、飛行機雲の発生抑制システム、ジェットエンジンをより効率的に稼働させるための洗浄システムなどに加えてGEデジタルのソフトウェアであるフューエル・インサイトを使用しました。
このソフトウェアはGEデジタルのアビエーション・ソフトウェア・ユニットによって開発されました。フライトデータを分析し、燃料消費の変化を捉え、わずか数分で燃料節減の最適化を実現することにより、航空会社がコストとCO2排出量の双方を削減するのに役立ちます。さらに、このソフトウェアは1回のフライトのみ使用することも、航空会社全体に拡大して使用することもできます。
ことし2月、ANAはフューエル・インサイトを採用したことを発表しました。ANAはGEのエンジンを搭載したドリームライナーを発注(一部受領済)していますが、このソフトウェアを使用することでCO2排出量を削減するとともに、同社が掲げる2050年カーボンニュートラル(2050年度までに航空機の運航で発生するCO2ネットゼロ)の目標達成に寄与するとしています。
ANAは幅広い機種の航空機を運航する国内屈指のエアラインです。度重なるテストの結果、ANAは燃料節減とサステナビリティの向上を目指してフューエル・インサイトを導入することを決定しました。ANAのオペレーションサポートセンター・フライトオペレーション推進部長の近藤隆氏は次のように述べています。「フューエル・インサイトはまさに洗練されたテクノロジーであり、私たちはGEデジタルの協力を得られたことを嬉しく思います。」

GE Digitalの他のソフトウェアも、空域効率の分析から機材メンテナンス、整備の予兆分析、運航乗務員のスケジュール管理など、航空機の運航を横断的に支援することで航空会社のサステナビリティ向上に貢献します。
GEデジタルのアビエーション・ソフトウェア部門アジア太平洋および中国担当ゼネラルマネージャーのフランク・シーガーズ(Frank Siegers)は次のように述べています。「現在、航空業界が抱える2つの大きな課題は燃料コストとCO2排出量です。GEは未来のためにこの世界をより良くする責任を感じています。そのために、利用するテクノロジーが環境に与える影響と企業活動によって生じるカーボンフットプリントを軽減したいとお考えのお客様のサポートができればと考えています。」