
今後倍増する世界のエネルギー需要を考える
エネルギーとは、単に電気だけでなく人や社会、経済に可能性をもたらす重要なもの。
今、世界のエネルギー需要は急速に増加しています。2050年までに90億人に達する見込みの世界人口のうち、増加する人口の90%はいわゆる発展途上国にあり、世界全体のエネルギー使用量は倍増するという予測が(*1)。その一方で、いまも世界では6人に1人が電気のない暮らしをしています(*2)。
こうした国々が経済面でも成長を遂げるためには、公的・民間組織が共同して新たな方策を立て、エネルギーを供給していかなければいけません。求められるのは、バランスのとれたエネルギー資源の組み合わせで効率的に需要と供給をマッチさせること。全体効率、レジリエンシー(復元力)や持続可能性のためには、エネルギーのバリューチェーンを通じてデジタル技術との統合を図ることが重要です。つまり、ガスタービンや風力タービンのような発電機器、油井掘削機、原子炉、水力発電機といった「物理世界」を、ネットワーク化されたセンサー、データ分析ソフトウェアといった「デジタル世界」と結びつけることで、電力と情報がその中を様々な方向へと流れ、機器の性能だけでなくエネルギーのエコシステム全体の効率を向上させていく、というものです。
国際エネルギー機関によれば、世界の電力需要を満たすためには今後25年間で約20兆ドルの発電・送電分野への投資額が必要に。並行して、エネルギーを掘削し、パイプライン、鉄道システム、道路等によって電力をエンドユーザーまで届けるためには25兆ドル、エンドユーザーが効率的に利用できる環境を整えるにはさらに22兆ドルの投資が必要になります(*3)。
こうしたバリューチェーン全体の「見える化」を実現し、エネルギー資源の抽出・輸送、転換、生成、伝達、配送システムの最適化にフォーカスしていけば、デジタル・テクノロジーによって、エンドユーザーはより効率的で、持続性があり、制御可能なエネルギーを手にすることが可能に。新たなテクノロジー、クラウドソリューション、ビジネスモデルを活用すれば、未来に向けたエネルギー変革は可能です。
こうした喫緊の課題を睨み、GEはエネルギー分野の包括的なテクノロジー・ポートフォリオを構築しています。実際、GEの発電機器とシステムは世界の電力の1/3を提供しており、今も毎日、10万人のニーズ相当分の電力供給を世界で増加させています。加えて、エネルギーのバリューチェーンのなかで重要な役割を担っています。
- 世界の再生可能エネルギーの発電容量のうち20%はGE製発電機が担っています
- 洋上の石油採掘所の85%はGE製テクノロジーを採用しています
- 1,500GWの発電容量相当のインストールベースがあります
- 世界の電力会社の90%にGE製機器が採用されています
- 発電施設全体の熱効率を最高レベルに引き上げます
- 世界的な実績を誇る、幅広いグリッド向け製品ポートフォリオがあります
- ハイブリッド・ガス・ソーラー・ソリューションや、エネルギーを消費しない水処理技術におけるエコ・パートナーシップを結んでいます
- 130億ドルにのぼる世界的なエネルギー関連プロジェクト投資を行っています
加えて、GEは産業向けクラウドプラットフォーム「Predix」を通じて、エコシステム全体を最適化させるためのデジタルレイヤーを提供します。より効率的かつ持続可能で、費用対効果に優れたエネルギーソリューションが実現可能で、電力事業者のパフォーマンスを最大20%向上させることも可能です。
発電方法の選択肢がかつてないほど増加している今、GEは「いかにスマートに発電を行うか」に注力しています。つまり、適切なエネルギー構成比を選び、デジタルの力を活用して最大効率を実現すること。石油やガスの効率的な採掘から、風力ファームの天候変化への適応、運搬船の潜在的なトラブル予測、発電施設の効率向上のためのアナリティクス活用に至るまで、世界に多くの機会をもたらすことのできるエネルギー基盤構築に、貢献したいと考えています。
*1: http://www.shell.com/energy-and-innovation/the-energy-future/shell-scenarios.html#vanity-aHR0cDovL3d3dy5zaGVsbC5jb20vZ2xvYmFsL2Z1dHVyZS1lbmVyZ3kvc2NlbmFyaW9zL25ldy1sZW5zLXNjZW5hcmlvcy5odG1s
http://www.iea.org/publications/scenariosandprojections/
*2: http://www.worldenergyoutlook.org/resources/energydevelopment/
*3: http://www.ge-alstom.com/