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サステナビリティ・ストーリー:航空産業の脱炭素化へ貢献するGE

ウィル・パルマ―

世界のCO2排出量のうち、航空産業が占める割合はおよそ2.5%とされています。GEアビエーションとCFMインターナショナル(※)が航空各社や政府機関とパートナーシップを組んでフライト由来のCO2排出量を削減するための解決策に懸命に取り組んでいる理由はここにあります。先日、GEは2021年サステナビリティレポートを発表しましたが、その中で触れられているアビエーション分野の大きな進歩の数々、たとえば持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:以下SAF)、燃料消費率向上を担うソフトウェア、航空機のハイブリッド電動化、水素燃料およびその他のテクノロジーを振り返ります。

※CFMインターナショナル:GEとサフラン・エアクラフト・エンジンズ(Safran Aircraft Engines)が50-50で共同出資した合弁会社

Rising To The Challenge

CFM RISE 
2021年10月、Air Transport Action Group(ATAG:航空業界のサステナビリティを推進するグローバル連合)は、世界の航空業界が2050年までにCO2排出量をネットゼロにするというコミットメントを宣言しました。このグループにメンバーとして参加するGEアビエーションは、2021年だけでアビエーション関連の研究開発に16億ドル(約2,200億円)を投資しており、燃料消費量の削減やハイブリッド電気推進の設計を可能にする新たな先端材料やテクノロジーも導入しています。また、CFMインターナショナルは2021年6月、「RISE(Revolutionary Innovation for Sustainable Engines)プログラム」の立ち上げも発表しました。このプログラムは、従来のジェット燃料を使うジェットエンジンの中で、現在最も高効率なタイプと比較しても燃料消費量を20%以上改善し、CO2排出量を20%以上削減する次世代エンジンの高度な技術を実証するためのものです。GEアビエーションがATAGのコミットメントを支持すると宣言した詳細はこちら、RISEプログラムの詳細はこちらをご一読ください。

電気で空を飛ぶ

electric motor propeller

2021年10月、NASAとGEアビエーションは新たなパートナーシップを締結し、ナローボディ機にも搭載可能なメガワット級ハイブリッド推進エンジン技術の開発を推進することを発表しました。このプロジェクトは、ことし1月にGEアビエーションがボーイング社を選定し、飛行中の新推進システムのテストも可能にする試験機への改修に取り掛かったことで、実用化にさらに一歩近づきました。試験機の飛行テストは2020年代半ばに開始されると予想されています。また、NASAとGEのパートナーシップは、NASAの電動パワートレイン実証飛行(EPFD:Electrified Powertrain Flight Demonstration)プロジェクトの一翼を担っています。このプロジェクトは、NASA、GEアビエーション、ボーイング、さらにその他のパートナー企業各社が参加し5年間で2億6千万ドル(約354億円)が投じられる見通しです。詳細はこちらをご一読ください。

もう一つの「世界初」

UA SAF flight

2021年12月初旬、シカゴからワシントンDCへ飛んだユナイテッド航空のボーイング737 MAX 8は、外から見る限り特に変わったところのない機体でした。しかし、この飛行機は歴史を塗り替えました。乗客を乗せた旅客機として、2基のエンジンのうち1基で100%ドロップインSAFを使用した初めての実証フライトとなったからです。「ドロップイン」SAFは非石油ベースの燃料で、エンジンや機体に変更を加える必要のない「ドロップイン(drop-in:簡単に交換できる)」であるため、従来からのジェット燃料とも互換性がある燃料です。そのため、航空各社がすでに保有している機材やその燃料の輸送および貯蔵を担う既存のインフラとも互換性があります。GEアビエーションの航空燃料・添加剤部門のエンジニアリングリーダーを務めるグルハン・アンダック(Gurhan Andac)は、「SAFは、分子構造を解析しても特定の分子がどの原料から由来するかは判別できないレベルです」と語ります。当日のこのユナイテッド航空のジェット機は、CFMインターナショナルが開発したLEAP-1Bエンジン2基を搭載していました。詳しくはこちらをご一読ください。

「Have a Safe Flight」だけでなく、「Have A SAF Flight」も

EIA KLM

ことし5月、KLMオランダ航空はSAFを含む混合燃料で2回の実証フライトを実施しました。一つはヨーロッパ圏内で、そしてもう一つはカナダへのフライトでした。アムステルダムからカナダ西部のアルバータ州エドモントンへの長距離フライトでは、GEnxジェットエンジンを2基搭載したボーイング787ドリームライナーが使用されました。当日の同機のエンジンはそれぞれSAFを39%使用しましたが、両エンジンとも50%までSAFの比率を上げて運航することも可能です。また、このフライトはKLMオランダ航空をはじめとする航空連合「スカイチーム」(SkyTeam Airline Alliance)加盟航空会社15社がCO2排出量の削減において自社のベストパフォーマンスを更新することを目標に22便を運航した「サステナブルフライトチャレンジ(Sustainable Flight Challenge)」の一環として実施されました。詳しくはこちらのGEレポートからご覧ください 。

データで空を飛ぶ

Digital flight

GEデジタルは、航空会社が運航の効率性を高めCO2排出量を削減することを支援する「the perfect flight」という取り組みを実現するためのツールを開発しました。人類の活動に由来するすべてのCO2排出量において、航空業界は約2.5%を占めていることもあり、多くの航空会社は2050年までにCO2ネットゼロ排出の目標を実現しようとしています。そのためには、燃料をより賢く消費し、CO2削減量を測定できるようにすることが不可欠です。GEデジタルのアビエーションソフトウェア部門を統括するアンドリュー・コールマン(Andrew Coleman)は次のような例を挙げて強調します。「2機の航空機がそれぞれ特定の空港間で1日3往復運航している場合、そのうちの1機のCO2排出状況が他方と大きく異なっていることを検出することもあるでしょう。その原因は、燃料を積み過ぎたために燃料消費量とCO2排出量が増えたことにあるのかもしれません。あるいはそれ以外の無数の要因も考えられますが、ソフトウェアを使えばその原因を突き止める手助けになるのは確かです。」詳しくはこちらのGEレポートからご一読ください。

エティハド航空のロンドン-アブダビ便がCO2排出量を72%削減

Etihad Greenliner

2021年秋のCOP26開催に合わせ、エティハド航空がロンドンからアブダビまでの長距離フライトで運航したボーイング787は、既存の技術でCO2排出量を72%削減することに成功しました。当日のエティハド航空のフライトではSAFの使用や、自機の飛行機雲の形成を抑制するというイノベーションに富んだ飛行ルートの設定・修正システムの活用、さらにはエコフレンドリーな食器類による機内食サービスも実施されました。加えて、GEアビエーション製GEnxエンジンの搭載と、GEデジタルのフューエル・インサイト(Fuel Insight)というソフトウェアによる燃料データ分析も合わせて行われ、燃料節約のための調整を数分単位で行いながら飛行するというフライトをも実現しました。また飛行前には「GE 360フォームウォッシュ(GE’s 360 Foam Wash)」と名付けられた洗浄システムも活用されました。このシステムはエンジン内部のチリ、ホコリを除去することでエンジンの性能向上と燃料節減に役立ちます。詳しくはこちらをご一読ください。

エア・デジタル

ANA GE

全日本空輸(ANA)はことし2月にプレスリリースを発表し、GEデジタルの『フューエル・インサイト(Fuel Insight)』ソフトウェアを採用してANAのCO2排出量を削減するとともに、同ソフトウェアはANAが掲げる2050年カーボンニュートラル(2050年度までに航空機の運航で発生するCO2ネットゼロ)の目標達成に寄与するものであることを発表しました。ANAは幅広い機種の航空機を運航する日本最大のエアラインの一つです。詳しくはこちらのGEレポートをご一読ください。

水素で空を飛ぶ

Hydrogen Passport

ことし2月、航空業界はCO2排出量削減のための新たな一歩を踏み出しました。エアバス社とCFMインターナショナルが、液体水素を燃料とするGE製航空機エンジンのテストに協力することを発表したのです。テストフライトの段階に移行するのは2020年代半ばの見込みですが、その際は、今回開発される改良型エンジンを飛行試験用に改造された世界最大の民間旅客機エアバスA380に搭載する予定で、開発チームはその約10年後に水素を動力源とする旅客機を就航させることを目標としています。この段階まで進めば航空機の飛行中のCO2排出量はゼロになることも想定されます。このプロジェクトについての詳細はこちらをご一読ください。

「クリーンアップ」界の四番打者!『GE 360フォームウォッシュ(GE’s 360 Foam Wash)』

Foam Wash 360

航空機のジェットエンジンを洗浄する場合、ホコリを除去するだけでは不十分です。特に砂漠が広がる中東では、砂がエンジンのタービンブレードに固着したり、コンプレッサーに入り込んでしまうため、航空会社は常に砂との闘いにさらされています。その影響は、燃料消費率の悪化やメンテナンスにかかる時間とコストの増加にもつながります。『GE 360フォームウォッシュ(GE’s 360 Foam Wash)』はまったく新しいエンジン洗浄方法です。旅客機用ジェットエンジンの性能を向上させると同時に、気候に悪影響を与えるCO2を何トンも削減できる可能性もあります。2021年11月に開催されたドバイ航空ショーでは、2017年以来360フォームウォッシュプログラムを利用した各現場でのエンジン洗浄回数が1,000回に達したとGEアビエーションが発表しました。詳しくはこちらをご一読ください。そして、日本でも日本航空(JAL)グループが世界で初めてリージョナルジェット機向けにフォームウォッシュを導入しました。

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