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2021年GEアニュアルレポート:カルプCEOから株主へのレター

GEは2月11日、2021年度のアニュアルレポートを発行しました。以下は、会長兼CEOのラリー・カルプから株主の皆さんへのレターの仮訳です。

株主の皆様へ

2021年はGEにとって歴史的な転換を迎えた1年となりました。選択と集中、またリスク軽減に向けて数々の戦略的なポートフォリオへアクションを取りました。中でも、大幅な債務削減を断行するとともに、リーン方式と権限移譲をいっそう推進することで業績の改善につながりました。依然としてコロナ禍が地球を覆い、その影響がサプライチェーンにまで及ぶ現在においても、私たちは粘り強く効果的にお客様にサービスを提供するとともに、最先端のテクノロジーとイノベーションで収益性の高い成長のための投資を継続しました。さらに、社員のレジリエンスにも支えられ、2021年が終了した今、大きなビジネスチャンスが目前に広がっていることを確信しています。

私たちは引き続き変革を進め、よりシンプル且つ強靭で高い技術力に根差した企業という新しいGEへと進化することに成功しました。2021年も負債を大幅に削減し、過去3年間では870億ドル以上の総負債[1]を削減することができました。継続的な企業努力と社員ひとりひとりの献身的な取り組みにより、私たちはアビエーション、ヘルスケア、エネルギーという重要かつ高成長を遂げるビジネスにフォーカスを当て、強い意志を持って事業を展開しています。

このような確信のもと、GEは2021年11月、それぞれが資本力のある投資適格企業であり、業界のリーディングカンパニーとなると同時にサステナビリティにも重点を置く3社に分社化することでGE全体を変革する計画を発表しました。はじめに、2023年にまずヘルスケア事業をスピンオフしたのち、GEリニューアブルエナジー、GEパワー、さらにGEデジタルの3部門をひとつにまとめ、その1年後に独立した上場企業として立ち上げます。その結果、3社目はアビエーション事業にフォーカスする企業になる予定です。これはGEにとって「A Defining Moment」であり、GEの各ビジネスが長期的な成長を実現し、すべてのステークホルダーにより高い企業価値をもたらすことを可能にする最適なかたちとなります。

また、GEは、お客様により良いサービスを提供し、業界ごとのダイナミクスに対応し、それぞれの業界で知見を積み重ねることができる企業を3つ独立させますが、それぞれ独自の取締役会を設置する予定です。一方で、社員の目線に立って考えると、みずからのビジネスや業界に特化したキャリア形成の機会やインセンティブを社員それぞれに提供する企業として認識されることで、有能な人材を引き寄せることができると考えています。さらに投資家の視点から見ると、個別具体的な業界またはミッションへの参加に魅力を感じる、より幅広い投資家層を各社ともに惹きつけるチャンスがうまれます。そして、3社とも十分に堅固なバランスシートと投資適格格付けを備えることで、それぞれの成長と革新のために独自にフォーカスを絞って投資を行う盤石な体制を整えます。

GEの伝統は多くの人々に語り継がれてきました。創業者トーマス・エジソンの有名な言葉にあるように、130年もの間、GEは人々から「世界がいま本当に必要としているものを見出し、創る努力をする(find out what the world needs… and try to invent it)」ことを期待されてきました。この言葉は現在もGEに息づいており、今後立ち上がる3社でもそれぞれ受け継がれていくことになります。意欲に満ち溢れた各チームが、お客様と世界のためにより良い道を見出だすための努力をしているのです。私は社員一人ひとりの努力によって、今後もGEの事業戦略を成功させ続けることができると確信しています。なぜなら、私たちGEにとって、これはありきたりな仕事ではなく「Building a world that works」という目的を持ったミッションだからです。

確固たるポジション

私は2021年にGEと社員が成し遂げたことを誇りに思います。

2021年通期は堅調な利益率*と1株当たり利益*を達成し、インダストリアル部門のフリーキャッシュフロー*[2]は58億ドルに上りました。受注高は、特にサービス部門で好調に積み上がり、今後のより迅速で収益性の高い成長に向けて準備を整えました。その一方で、売上高はやや圧迫された形となりました。理由としては、プロジェクトや市場をより厳選するという私たちの事業運営上の選択がその要因のひとつであり、サプライチェーン問題の長期化や陸上風力発電の税額控除(PTC)の延長を巡る不確実性などの市場要因も挙げられるほか、さらにGEの業務執行における要因も影響しています。

しかしながら、現在のGEには、特にエンドマーケットの需要が高まってアビエーション事業が回復してきたことに伴い、ビジネスの短期的な改善を含むモメンタムを見ることができます。2022年には55億ドル*から65億ドル*のフリーキャッシュフロー、2023年には70億ドル*以上のフリーキャッシュフローを実現する見込みです。債務削減の取り組みを今後も継続させていくことで財務基盤をさらに堅固なものにするとともに、既存事業か買収などによる新規事業かの違いを問わずあらゆる成長機会を通じてGEがより意欲的な経営姿勢をとることを可能にしています。

強い財務体質

私たちは2021年に大きな一歩を踏み出しました。それは、GEアビエーション・キャピタル・サービシズ(GE Aviation Capital Services、GECAS)とアイルランドのエアキャップ社(AerCap Holdings N.V.)社が統合を完了し、お客様である航空各社とって業界のリーディングカンパニーであり戦略的パートナーとなる企業を設立したことです。GEは現在、統合後の会社の約46%の株式を所有しています。この統合は、GEの財務基盤をより堅固にする重要なきっかけとなりました。統合後の持ち分は保有しているものの、GECASを売却したことでGEは総負債[3]の削減を大幅に加速し、1年間で500億ドル以上の削減を達成しました。これに続き、現在でははるかに小規模になったGEキャピタル事業の残存業務もGEコーポレート部門の一部として計上することで財務報告様式を簡素化し、株主の皆様に向けてもさらに透明性を高めた報告をすることができるようになりました。

またGEは、ビジネスのリスクを取り除き、サステナブルで先が見通しやすい事業運営を展開するためのアクションも起こしています。その一環としてファクタリングの大半を中止するという戦略的決定を実施することにより、請求と回収業務の基本に回帰することも可能になり、時間の経過とともにより高水準かつさらに直線的に成長するキャッシュフロー創出につながると予想しています。

事業強化と業績評価の改善

事業の強靭化をさらに推進してきたことで、私たちはGEをよりシンプルでリーン方式が浸透した高効率な組織へと変革させてきました。

そして、2022年に入りリーン方式が全社的にさらに浸透しています。リーン方式とは簡単に言うと、お客様を第一に考え、無駄をなくしてお客様により多くの価値を提供することです。この1年間努力を続けてきた結果、安全性、品質、納期、コスト、およびキャッシュマネジメントにおいて、サステナブルでインパクトのある改善を実現することができました。リーン方式は、GEのオペレーション体制を芯から再構築し、企業文化を変革するのに役立っています。リーン方式をGEの歴史的な強みであるテクノロジーとイノベーションとも組み合わせることで、各ビジネスは、継続的かつ迅速に収益性を高める成長に資する非常に強力な基盤を持つことができます。

このようなお客様中心の理念が全社的にさらに築きあげられています。最近の好例をいくつかご紹介しましょう。フロリダ州ペンサコーラにあるGEリニューアブルエナジーの生産拠点では、風力タービンのヨードライブ(注:風向きに従ってローターを振る制御方法)の組み立て工程の改善にリーン方式を活用して生産時間を20分短縮し、シフト能力を4台から5台に増強することに成功しました。この生産能力増強により、生産量が増大する2022年のもオンタイム納入を保つことができると考えています。また、GEアビエーションのオーバーホール工場では、2020年以降、リーン方式を活用して納期を短縮し、エンジンをより早期により低コストでお客様にお返しできるようになりました。さらに、GEガスパワーサービスの事業では、リーン方式を活用してタービンを休止するメンテナンス作業の新しい手法を開発し、再び稼働するまでのサイクルタイムの30%短縮を達成しました。さらに、GEヘルスケアの超音波診断装置部門は、お客様のニーズにより良く応えるために、プル型業務と日常管理にもリーン方式を導入し、その結果、納期が13%改善されました。これらの効率化が各業界の業務執行に新たな基準をもたらしたことで、最も重要なこととして、お客様に価値とスピードを提供しています。今年は10万人の社員がリーン方式に関する新たなスキルを身につけるための研修コースを受講することも予定しており、既存の自己啓発制度と組み合わせることにより、ここでご紹介したような取り組みはGEのオペレーション体制に磨きがかかるという高い意義を持つことになるでしょう。

さらに、私たちは継続的に企業文化の変革にも取り組んでいます。事業のオペレーションも標準化されており、具体的なKPI(主要業績評価指標)を毎月評価することに加え、人材、戦略、予算などの特に重要度の高い項目には四半期ごとの見直しも実施しています。GEの新しい事業管理体制では、事業の責任を社員個人のレベルまで落とし込んで明確に定義しています。また、GEの最優先事項だけではなくサステナビリティとダイバーシティの進捗状況についても皆さんに新しくご報告することで、GE社内はもとより、世界のためにも改善を推進する責任を果たしていきます。

一方で、権限移譲はリーン方式を浸透させながらお客様との距離を縮めることと密接に関係しています。これは、GEの4つのセグメント内の約30のビジネスユニットで行われています。その結果、お客様の要望に沿うかたちで意思決定を行うように変化がおこりました。これからも、アカウンタビリティの向上、さらに高い透明性、そしてより良い成果がもたらされることでしょう。

では、これらの取り組みを踏まえGEの各チームがそれぞれのビジネスをどのように動かしているのか、詳しく見ていきましょう。

GEアビエーション

オペレーション改善と修理・メンテナンス業務依頼件数が増加したことにより、2021年のGEアビエーション事業の利益率は13.5%に拡大したものの、事業環境に由来する業務量の低下により売上高はわずかに減少しました。その一方、受注高は受注獲得競争での好調を主因に、機器やサービス業務など横断的に増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大による業界全体の資材とマンパワーの確保という課題の影響にも果断に対処しており、業績の回復を確信しています。GEのアビエーション事業は、民間航空機のアフターマーケットの回復と、軍用機部門の成長をリードしていきます。

GEヘルスケア

ヘルスケア事業は、2021年にサプライチェーンにおける遅延問題の影響を他のビジネスよりも早くから受けましたが、コスト、調達、ロジスティクスの管理を積極的に行い、堅調な業績を達成しました。受注高と既存事業ベース売上高*が増加し、利益率も既存事業ベースで70ベーシスポイント改善*したことから、資本力に加え市場に打って出る柔軟性を得ることができました。同年には、プレシジョン・ヘルスの実現を後押しする優良企業BKメディカル社(BK Medical)とザイオネクサ社(Zionexa)の2社を買収しました。

GEリニューアブルエナジー

GEリニューアブルエナジーは、2021年に2桁の受注増を達成したものの、既存事業ベース*では収益と利益率はともに減少しました。陸上風力発電ビジネスは成熟期に差し掛かっており、近い将来、構造的かつ自律的なチャレンジが訪れるでしょう。他方、洋上風力発電は需要が世界的に大幅増加しているほか、GEグリッドソリューションは黒字化に向けて前進しています。スコット・ストラジック(Scott Strazik)は、GEガスパワーを率いていた時と同様に、新規事業をより厳選し、コストをより厳格に管理しながら、GEのエネルギー事業を率いています。長期的にはいずれのエネルギー事業でも、GEがエネルギー転換をリードしていきます。

GEパワー

2021年、GEパワー事業はサービス部門が成長し、戦略的な事業選択に由来する売上高の減少を相殺することができました。戦略的な事業選択とは、完全請負契約の縮小や、受託するプロジェクトの選定をより厳しく行うことなど、戦略的なマネジメントを意味します。利益率は、既存事業ベースで300ベーシスポイント以上改善*しました。受注高も、主にサービス部門の伸びが設備機器部門の不振を補う形でわずかに増加しました。このようにGEガスパワーは安定的な業績を維持する一方で、GEスチームパワーは石炭火力発電マーケットからの撤退を続けています。また、GEパワーコンバージョン事業は2桁成長を遂げ、GE日立ニュークリア・エナジーは引き続き次世代原子力技術でお客様との協働を進めています。今後も、リーン方式をより深く浸透させることでパフォーマンスを向上させ、2023年にはGEパワー事業全体で一桁台後半の利益率につなげたいと考えています。

Rising to the challenge of Building a World That Works

GEは今、成長著しい3つのセクターにおいて業界のリーダーとしての立場にあります。その3つとは、よりスマートで効率的な「新しい空の旅」の提案、「プレシジョン・ヘルス」の実現、そして「エネルギー転換」による脱炭素化の推進であり、GEがサービスを提供するお客様とエンドマーケットの両方にとって重要な分野です。

「新しい空の旅」の提案

はじめにアビエーションをとりあげます。燃料消費率を向上させるイノベーションこそ新しい空の旅を象徴するものですが、すべてのGE製エンジンは現在、規格に適合したSAF(持続可能な航空燃料:Sustainable Aviation Fuel)で飛行することができます。燃料のライフサイクル全体を考慮した場合、石油ベースの燃料からSAFに切り替えることで、航空業界は燃料のCO2排出量を最大80%削減することが可能となり、2050年までにCO2排出量をネットゼロにするという航空業界のコミットメント達成にも大きく貢献することができます。2021年12月、CFM LEAP-1Bエンジンを搭載したユナイテッド航空のボーイング737 MAX 8が乗客を乗せた旅客機として、同機の2基のエンジンのうち1基で100%「ドロップイン」SAFを使用した初のフライトを実施しました。ドロップインSAFは従来のジェット燃料と互換性があり、エンジンや機体に変更を加える必要もありません。現在はエティハド航空、ブリティッシュ・エアウェイズなど多くのお客様がSAFを混合した燃料を商業運航に利用しています。

さらに先を見据え、GEは次世代の航空機エンジンのための技術革新にも取り組んでいます。GEアビエーションとサフラン・エアクラフト・エンジンが50:50で共同出資している合弁会社であるCFMインターナショナル(CFM International)は、次世代技術を実証するためにRISEプログラムを開始しており、今年半ばには地上試験と飛行試験を行う予定です。このプログラムにより、最終的には現在製造されている最も効率の良いジェットエンジンに比べ、燃料消費量とCO2排出量を20%以上削減する次世代エンジンが完成する見通しです。また、GEアビエーションはGEリサーチとともに、ARPA-E(アメリカ・エネルギー高等研究計画局)およびNASAとパートナーシップを締結し、ハイブリッド電気航空機による商業フライトを可能にする技術の研究開発も推進しています。私たちは、よりサステナブルな未来のために、新しい空の世界を最優先で追求していきます。

GEヘルスケア「プレシジョン・ヘルス」の推進

プレシジョン・ヘルスとは、医療を包括的な視点から捉え、効率を念頭に、高度に個別化されたケアを提供していくことであり、患者と医療従事者が直面する重要な課題を対処していく上で不可欠です。

患者のニーズに応えるものとしては、手術中に患者の体内をリアルタイムで見ることができ、適切な判断を助ける高度な外科手術用画像可視化技術を提供するBKメディカルを買収したことで、より良いケアと手術時間の短縮、さらに合併症発症を軽減できるようになります。さらに、診断から治療、また、日々のケアも含めて医療全体をサポートすることに注力しています。そのために、日々業務の改善に継続して取り組んでいます。一例を挙げると、アイルランドの医薬品診断チームは、リーン方式を応用することで生産時間を短縮する新しいワークフローと準備手順を考案し、試験段階を経て、今では改善活動の一環として実施しています。結果として、医療画像診断の際により優れた可視化を通じて精密な診断を可能にする造影剤の生産能力を拡大し、200万本を超える生産を達成しました。また同年には、最新のイノベーションによるポケットサイズのワイヤレス超音波診断装置「Vscan Air」を発表しました。超音波の画像をスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で操作・閲覧できるデバイスで、「医療が患者さんに近づく」ことを支援する不可欠な診断ツールとして活用されています。Vscanシリーズは、100カ国以上で3万台が販売されており、過疎地なども含めより多くの人々に医療提供を支援するツールとして活用が進んでいます。

2021年は、医療従事者には引き続き新型コロナウイルス感染症への対応が求められる1年となりました。このような中で、アメリカ合衆国オレゴン州において、GEヘルスケアによるAIを搭載したオレゴン・ケア・システム(Oregon Care System)が稼働を開始しました。このシステムにより、オレゴン州の臨床医は州内で利用可能な集中治療室(ICU)や救急病院の病床数、およびその待ち時間などの救急医療施設に関する情報にほぼリアルタイムでアクセスできるようになりました。一例によると、このケアシステムの利用を通じて、重症患者をヘリコプターで緊急搬送した際、最寄りのICUをすぐに見つけることができ、さらにヘリコプターの冷蔵ボックスに患者の血液型に合う輸血用血液を準備するよう救急隊員に的確に指示することができました。現在、オレゴン州内の65の病院(州内病床の約95%)がこのシステムに接続されています。

「エネルギー転換」をリード

世界中で発電される電力の3分の1がGE製の発電設備で発電される現在、GEは業界の脱炭素化をリードし、世界が求める安価で信頼性のあるサステナブルなエネルギーを供給する責務があります。GEのエネルギー関連ビジネスはパワフルかつ統合されたソリューションを提供しており、その範囲は最も革新的な陸上・洋上風力発電タービン、最も高効率なガスタービン、そして送配電網の近代化とデジタル化のための最新のテクノロジーにまで及びます。

GEはさらに、CO2回収・利用・貯留(CCUS)、新規・既存ガス発電プラント向けの水素などの低炭素・ゼロエミッション燃料、小型モジュール原子炉など、将来必要とされる画期的なテクノロジーを提案することも重要な役割だと考えています。GEのガスタービンは、すでに合計800万時間以上の水素または水素に類似した燃料での混焼実績を積み上げています。また、クリーン水素などの燃料を利用することで、2030年までに大気中のCO2排出量を数百万トン削減できる可能性もあります。というのも、GEは、米国、オーストラリア、中国で、水素と天然ガスの混合燃料を利用する前提で設計された発電所を建設あるいは既存の発電所を改修しているからです。たとえば、ニューヨーク州のブレントウッド発電所では、天然ガスとカーボンフリーな「グリーン水素」を混合した燃料で運転する発電の実証実験プロジェクトがまもなく開始されます。

とはいえ、このような先進的な取り組みが技術的あるいは事業採算的にも実用化され、世界の多くの地域で広く普及するようになるのには数年かかると私たちは考えています。そこで、GEは全く新しい未来のテクノロジーに取り組む一方、世界が今すぐ必要としている最新鋭機器の製造と供給を続けることで、世界175カ国以上の国々がレジリエンスを備えられるように、またエネルギー関連業界の脱炭素化にも貢献していきます。

そして、ガスタービンによる発電は以下に上げるような大規模風力発電ファームを補完する信頼性の高いベースロード電源として欠かせません。つまり、ニューメキシコ州で発電を開始した1.05GWのウェスタン スピリット プロジェクトや、オクラホマ州で建設中の1.485GWのノースセントラル風力発電ファームのような大型風力発電プロジェクトを補完するために不可欠なのです。どちらの風力発電所でもGEの2MWシリーズの風力タービンが使用されており、20GW以上の設置容量を誇る規模の大きさは他の追随を許しません。また、ロッテルダムに設置された強力な洋上風力発電タービン「Haliade-X」は発電容量14MWでの運転を開始しています。このHaliade-Xタービン1基で、1年間で11,000台の自動車の排出量に相当する最大52,000トンのCO2を削減できます[4]。GEは現在、全世界で7GWを超えるHaliade-Xの受注を頂いています。

こうした風力発電で生成された電力をより効果的に運用するために、GEのソフトウェアは送配電網をデジタル化することでより多くの再生可能エネルギーを活用し、レジリエンスを高めるのに貢献します。GEのソフトウェアを活用することで、電力会社は送配電網の信頼性とレジリエンスを保ちながら、再生可能エネルギーをより多く導入・活用することができます。さらに、過去の停電や気象パターンに関するデータを活用することで、たとえば暴風雨などの際に事前に脆弱な箇所をピンポイントで特定し、迅速な修理を行うことで電力事業者は停電を最小限に抑えることができます。2021年、GEデジタルはグリッド管理ソフトウェア会社のオーパスワン社を買収し、電力会社がより多くの分散型エネルギー源を送配電網に取り込むことをサポートすることを決定しました。このように、GEのソフトウェアは問題を検知し、最も効率的なソリューションを見出すことができるスマートグリッドの普及に力を注いでおり、これはエネルギー転換を加速する上で重要なステップとなります。

以上がGEの持つインパクトです。GEの社員は、よりコネクティッドで健康的かつサステナブルな未来のために、「Building a world that works」というミッションに日々取り組み続けています。

現在と未来を見据えた価値を提供

GEはより強靭で、お客様に寄り添う企業になりました。また、私たちは安全を最優先とし、リーン方式を核とする企業文化を貫いています。ミッションが明確になったことで、各ビジネスはそれぞれの業界で進むべき道を見極める絶好のチャンスを手にしました。GEは、「新しい空の旅」の提案、「プレシジョン・ヘルス」の推進、「エネルギー転換」をリードすることに日々努力し、改善を続けています。

例えば、マサチューセッツ州リン市(Lynn)の工場では、2021年10月初旬にグローバル リーン イベントが開催され、私自身も現場に最も近い社員と共に1週間を過ごしました。リンで生産している軍用エンジンの重要なサブアセンブリー部品であるミッドフレームの初回歩留まりを改善することが私たちのミッションでしたが、品質のばらつきがなかなか解消できず、お客様へのオンタイムデリバリーを妨げる要因となっていました。ですがリーン方式を導入したことで、その週の終わりを迎えるまでに、ミッドフレーム部品の溶接と品質チェックの工程を改善できたのです。今回の改善により、リーン方式導入以前は59%だった初回歩留まりが、現在は99%に達しています。このように、改善は、一定の規模で適用すれば、軍へのオンタイムデリバリー目標の達成に貢献します。そして、一度改善を行えば、今後何年にもわたってパフォーマンスを向上させることができるのです。こうした絶え間なく、途切れることのない改善による変化が私たちにより高効率で収益性の高いビジネスをもたらしてくれるはずです。

モメンタムに満ちた企業として、GEはアビエーション、ヘルスケア、エネルギーの各分野における重要なグローバルニーズにフォーカスを絞った3つの会社を設立するという、会社の歴史上最大の変革を成功させるための態勢を整えています。また、分社化の成功には社員の力が不可欠であるため、私たちは社員に業界最高水準の機会とキャリアアップのためのインセンティブも提供します。この点においても、分社化を計画通り行い、各事業会社の新しい船出を成功させるため、すでに分社化の作業に取り掛かっている経験豊富なリーダー陣がいたことはGEにとって幸運と言えましょう。

独立運営される3社は今後も「GEのコア」とともに前進し、イノベーションの底力、テクノロジーの専門知識、リーダーシップ、そしてグローバルなリーチをさらに活用することで「Build a world that works for everyone」を実現します。

このように、2021年はGEにとって有意義な1年でした。未来は今、ここから始まり、私たちは進んで未来を受け入れ、前に進んでいきます。

H ローレンス・カルプ・ジュニア

GE会長およびCEO

2021年アニュアルレポートについて、原文はこちらからご覧ください。

[1] 借入金、税引き後の年金および主要退職者給付制度債務、オペレーティング・リース、50%優先株式、ファクタリングを含む

[2] 従来の3列報告様式に基づく、2021年第1四半期から非継続のファクタリングの影響を除いたもの。3列方式から1列方式への財務諸表報告様式変更についての詳細については、GEの2021年第4四半期決算資料をge.com/investorでご覧ください

[3] 借入金、税引き後の年金および主要退職者給付制度債務、オペレーティング・リース、50%優先株式、ファクタリングを含む

[4] ドイツ北海(German North Sea)で見られる通常の風況に基づく総発電量

* GAAPベースでない財務指標

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