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GEのラリー・カルプCEOと、1年を振り返る

スティーブ・ウィノカーは、GE投資家コミュニケーション担当のバイスプレジデントです。見通しに関する重要情報は、こちらを参照ください。

 

本日はGEの会長兼CEOのラリー・カルプをGEレポートにお迎えでき、嬉しく思います。

今月でラリー・カルプがCEOとして就任してから1年が経過しました。長い道のりにおける最初の通過点かもしれませんが、「業績回復にはあとどれくらいかかるのか?」、「社内で変わったことは?」、「どのような成功を目指しているのか?」といった質問を投資家から投げかけられます。

今回、ラリーがこれらの質問に答えてくれました。その際の会話を以下に記載しています。皆様が抱えている全ての疑問は網羅できていないかもしれませんが、決算シーズンを迎えるにあたり、彼の見解を直接聞く機会としていただければと思います。1030第3四半期決算発表でより詳細な情報を公開いたします。

スティーブ・ウィノカー

 

スティーブ・ウィノカー (以下、SW): GEの企業文化の改革について、投資家の皆様にお話しいただけますか?会社としての進捗と目指す姿について教えてください。

ラリー・カルプ (以下、HLC):まずはこの1年間、当社にご意見や助言を下さった投資家の皆様に感謝申し上げたいと思います。いただいたご意見を真摯に受け止め、今後も対話を続けていく所存です。

さて、今の質問に対しては「幸先よいスタートだ」と感じています。

私は社外からGEに参加したため、他のどこかで上手くいった戦略をそのまま適用するのではなく、時間をかけて一から学んでいきたいと思っていました。その中で分かったことは、各事業部に持続可能な業績改善の機会がたくさんあるということです。

手掛け始めたものの、まだなすべきことはたくさん残っています。このような改善を行っていくにあたり、チームの皆が、より誠実に、率直に、かつ謙虚に課題に向きあうために議論していることにたいへん勇気づけられました。良い面と悪い面について同じように話し合うことは必ずしも容易ではありませんが、非常に重要です。例えば、私が取締役でしかなかった昨年夏に比べると、現在の営業報告では「何が上手くいっていて、何が上手くいっていないのか」をより公平に議論できているように思います。この前進は励みになります。

同様のことを、取締役会レベルでも行っています。取締役会メンバーの7割が2017年以降に新しく参加しており、4割が女性です。彼らの新鮮な視点と多様な思考や経験はGEの挑戦を支えてくれています。取締役会メンバー全員で、あらゆるトピックについて活発な議論や質疑応答を行っています。

今お話ししたことが、私たちが進化、改善しようとしていることの「ソフト面」だとすれば、同じように「ハード面」も存在します。お客様に焦点を当て、戦略的な方向性を確定させ、影響力の大きさに基づいて何を行うか優先順位を付ける重要性は以前お話ししたことがあると思います。

では、実際に何を行っているのか?「リーン生産方式」の考え方を製造現場以外にも幅広く導入しています。変化の重要なひとつが、ボトムアップです。継続的な改善を促進する「カイゼン」を利用して、当社の事業を総合的に経営し、事業を改善するための変化を起こします。そして一方ではトップダウンを採用しています。これは、最高のリターンを目指し、優先事項に特に焦点を当てられるよう、戦略に基づいた行動を行う「方針管理」をより一層活用するためです。この2つを合わせた結果をより一般的な業績評価指標(KPI)で測定し、一年を通して進行中の営業、人材、戦略、予算レビューに組み込んできました。これが、GEがこれまでと変わった点です。

このような経営面における変化は企業文化的なものも含むため、効果が出るまでには時間がかかります。まずは社内の対話を変えようとしています。

 

SW: あなたが以前、明示した2つの優先事項である「GEの財務状況の改善」と「各事業の強化」について進捗をどう評価しますか?

HLC: 初めに、2019年はまだGEにとってリセット・イヤーです。2つのことに焦点を当てるとお話しましたが、その通りのことを実行しています。進捗状況に勇気づけられています。

第一の優先事項は、財務状況の改善です。端的に言うと負債が多すぎるので、私が約束した通り、熟考の上、早急に負債を減らせるよう取り組んでいます。これに関しては、順調に進んでいると言えるでしょう。約67億ドル相当のベーカー・ヒューズ社の株式を売却し、同社株の保有比率は約37%となりました。今後、時間をかけて適切に売却する予定です。これにワブテック社への売却分や売却手続中のバイオ医薬事業分の売却益60億ドルを加えると、約380億ドル分の現金が手に入ることとなり、負債の支払いに充てられます。過去に手元資金を増やすためにワブテック社への売却形態を変更しましたが、その際、GEの配当金を削減するという苦渋の決断をし、年40億ドルの節約につながりました。

現在は、その現金を有効に活用しています。手始めとして、GEが抱えている負債の50億ドルを弁済しました。さらなる施策を検討していることも既にお伝えしているかと思います。これには年金に資金を投じたり、GEグループ内の借入をGEキャピタルに返済し、GEキャピタルが社外の負債を返済できるようにすることを含みますが、これらに限りません。

GEキャピタルはまた、2018年から2019年の間で資産を250億ドル減らす目標を達成すべく進めており、負債比率を下げるために計400億ドルを投じています。2020年までに産業部門で純負債/EBITDA比率を2.5倍未満に、金融部門(GEキャピタル)で負債比率(負債/資本比率)を4倍未満とする債務削減目標を達成すべく、各種施策を実行し続けていきます。これらの借入額を減らすことで、今後はより攻めの経営に転換できるようにしていきます。

第二の優先事項である「各事業の強化」は、日々取組みを続けているという点においても、結果を出すという点においても、より長期的なスパンで見る必要があるでしょう。説明責任を果たすためにも、各事業部での意思決定を推進すると当初よりお伝えしてきました。先ほどお話しした企業文化も重要な要素です。当社の事業全般において、お客様に焦点を当てること、パフォーマンス第一の経営を行うこと、そして優先事項の数を絞り、より影響の大きな事項に注力するようにしています。

 

SW: その点に関連して、各事業についてお話いただけますか?何か動きがありますか?

HLC: まず、GEはご存知のように産業部門に強みのある会社です。受注残(ベーカー・ヒューズ社を除く)が3,750億ドル分あり、前年同期比で2桁%増加しています。また、世界の至るところで導入された製品を基盤に、お客様と日々密な連絡を取り、お客様が抱えている課題の解決を支援しています。そしてこれが当社の収益の半分をもたらしているのです。そのため、GEは極めて有利なポジションを確保しており、特に先行き不透明な世界経済の中では稀有な存在です。産業部門の成長率は、3四半期連続で5%以上の伸びを見せています。

年初に、2019年はフリーキャッシュフローがマイナス20億ドル以内となり、2020年に著しく改善すると言いました。すでに見通しは改善していますが、フリーキャッシュフローは緊張感を持って管理し続ける必要があります。これは特定の事業に限らず、GE全体に言えることです。

各事業について見ていきましょう。

  • GEパワーは、競争力と収益力の強化に向け、日々の業務やコスト構造改革に注力しています。第2四半期に早くも業績安定の兆しが見えてきたため、構造改革に割く時間は当初の予定ほどかかりませんでした。このパフォーマンスの改善が、7月に見通しを改善した主な要因となりました。
  • GEリニューアブルエナジーは、大幅な増産を行っており、好調な受注状況と増収を達成しています。電力系統や水素分野の事業を好転させる必要があり、リニューアブルビジネス全体で収益改善に注力しています。
  • 100周年を迎えたGEアビエーションは、多大な投資の結果、LEAP、GE9X、T901エンジンを含む革新に繋がりました。CFM-LEAPエンジンへの移行が利益率を低下させていますが、生産台数を増やしてコスト競争力を高めていきたいと思っています。
  • GEヘルスケアは、当社の負債削減計画においても重要なバイオ医薬事業の売却を完了することに注力しています。ヘルスケア分野の傾向として、短期的なサイクルであることから成長が不安定となる可能性がありますが、「プレシジョン・ヘルス」分野でリードし続けるために変革することに注力しています。
  • GEキャピタルに関しては、事業の簡素化と縮小を続けていますが、今後とも各事業のマーケットでの成長を促し、お客様を支援する上で重要な役割を担い続けられるようにします。また、新しいチームを編成し、執行能力を高め、保険部門の準備金の管理にも積極的に携わっています。


以上を含め、2020年以降には著しく良い結果を期待しており、各産業部門において、時間と共にフリーキャッシュフローマージンが改善されると見ています。2018年には、当社の4つの産業部門で数十億ドルのキャッシュフローを確保しました。アビエーションとヘルスケアでは、新しいプラットフォームやサービスを伸ばすことに注力しており、パワーやリニューアブルエナジーでは、プロジェクトの引受、遂行、生産性の向上を図っています。長期的には業務改善の効果も期待できることから、当社の産業部門は昨年水準の倍以上のキャッシュフローを確保できると確信しています。

 

SW: 将来的な見通しはそのようであれば、注目すべき要素はどこでしょうか?

HLC: 投資家の皆様にもお伝えした通り、保険事業に関する年次のGAAP基準の損失認識テストや、ベーカー・ヒューズ社を決算報告の対象から除外した場合の影響、年次のれんの減損テストなど、現在進行中の項目がいくつか存在します。各項目の詳細については、10月末の第3四半期業績発表の際にご説明いたします。

また、年金や長期介護保険負担の逆風となる長引くマクロ経済の脆弱性、貿易と関税、737 MAXの運航停止命令、市場金利の低下など、社外の動きにも注視し続けています。広義で言えば、当社の長期的なビジネスサイクルは、変わりゆくマクロ経済環境の影響を受ける構造となっています。収益の半分以上をアフターサービスから得ており、製品をご利用いただいているお客様の存在が、逆風に耐える一助となっています。ただし、負債の削減や事業運営の改善への取組みは続ける必要があります。

就任当初にもお伝えした通り、当社は直面するリスクについて透明性を維持し、可能な限り説明する必要があります。年初に保険事業についての討論集会を開催したり、10-Kや10-Qにおける開示範囲を増やすなど、更なる改善の機会を模索し続けています。

 

SW: GEの未来について、なぜ自信があるのでしょうか?

HLC: GEがこのGEレポートを読んでいる皆様にとって良い投資先であるだけでなく、お客様、従業員、その他関係者全員にとっても良い企業であるようにするため、やるべきことはたくさん残っています。

これを実現する上でGEは多くの強みを持っています。GEの歴史、ブランド、世界的展開は、当社の最大の強みです。また、献身的に業務に従事してくれている優秀な社員や、当社を応援してくださるお客様がいます。

4つの主要産業部門のサイズ、規模、技術も重要です。世界中に納品されている製品や受注残についてはすでにお話ししましたが、今後はこれまで以上に前向きな発表をしていきたいと思っています。例えば、先日発表したギリシャのアギオスニコラオス発電所によるパワー事業では100件目となるHAガスタービンの発注や、リニューアブルエナジー事業がHaliade-Xを3.6 GWの世界最大規模の洋上風力発電所に導入することでドッガーバンク風力発電所と合意したことが挙げられます。また、アビエーション事業は主要プラットフォームのリニューアルを継続しており、民間及び軍需の両部門において大きな成果を挙げています。ヘルスケア事業でも引き続き新製品の導入を行っており、精密医療の分野でリードするためにAIを活用した先端医療などに取り組んでいます。

このような技術により、GEは業界内で第一線に位置することができており、これは何十年も前から継続的に行われてきた投資の成果とも言えます。そして各事業を結び付けているデジタル、アディティブ製造、GEリサーチの先進技術、GEキャピタルの財務モデル、GGOのマーケットアクセスの主要分野は、GEの新領域における成長を促進しています。

この基盤が先ほどお話しした利益やキャッシュフロー改善と組み合わさることで、GEに内在する価値を引き出す自信を与えてくれます。そして私は、目標実現について一年前よりもより楽観的に考えています。

 

SW: ラリー、お忙しい中ありがとうございました。また10月30日によろしくお願いいたします。

 

トップ画像:カルプ(中央)とウィノカー(右から2人目)。ノースカロライナ州ダーラムのGEアビエーション工場訪問時の写真。画像提供GE

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